伊藤忠とタイ財閥、電撃提携の舞台裏 「巨人たちの握手」、真の狙いは中国市場の深掘り

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伊藤忠はCPグループ向けに第三者割当増資を行い、実質的な筆頭株主に迎える(写真:Bloomberg)

打診の半年後、CPグループ総帥の謝国民(タニン・チャラワノン)会長が伊藤忠本社を訪問。両首脳はすっかり意気投合し、資本提携へ足並みを揃えた。出張先にも風水師を同行させるほどゲンをかつぐ謝会長は、「岡藤社長の福耳が気に入った」と周囲に漏らしたという。

トップ同士の息が合い、大型提携は実現へと動き出した。だが、両社の関係は単純な持ち合いにはならなかった。

CPグループ側は、総合商社の世界的なネットワークに期待し、伊藤忠本体への出資を求めた。一方で、伊藤忠側の出資先はグループ企業のCPポカパン(CPP)だ。CPPは、CPグループの中核子会社であるCPフーズ(CPF)の、そのまた子会社。中国では2位の飼料メーカーで、ベトナムでも飼料・畜産事業を営む。この企業に伊藤忠は870億円を投じて25%出資する。

中国のネットワークがほしい

一見、自社にとって不公平ともみえる関係を伊藤忠が了承したのは、そもそもの狙いがCPグループが中国で持つネットワークにあったからだ。「CPグループは今後、CPPを食料関連事業の中核に育てる」(伊藤忠幹部)という読みもある。

中核子会社のCPFは、飼料・畜産・水産といった事業分野ではタイで圧倒的だが、国内市場の開拓余地はそれほど大きくない。一方、CPPは中国での事業をメーンとしており、今後の成長可能性はずっと高い。

また、持ち株会社では現場から遠すぎること、タイで上場するCPFより、香港に上場するCPPのほうが中国ビジネスの足場としては好ましい、との判断もあったようだ。

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