子どもの疑問「天気予報はなぜ外れる?」の答え方 気象キャスターくぼてんきが「天気の謎」を解説

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このように、天気予報は、観測システムとコンピューターと気象予報士の共同作業によって出されているのです。

さらに、ボクのようにテレビ番組などで予報を伝える気象キャスターの仕事をしている気象予報士には、「予報した天気をわかりやすく伝える」という任務もあり、「この場所が降りやすい」「この時間が降りやすい」といった可能性まで、しっかり伝えるように心がけています。

天気予報の的中率は?

気象庁の「きょうの予報」では、2019年の的中率86%。年々精度は上がっているものの、100%的中はまだまだ難しそうです。ただ、現在の「天気予報」は「はずれる」というよりも「ズレる」という表現が近いように思います。

予想外に風と風がぶつかったりすることで、雲の発達具合や移動速度が速まったりして、「夕方から雨と言っていたのに、昼過ぎから降りはじめた」とか、「降る場所が予想よりも南側だった」という、ズレが生じてしまうのです。

中でも、ズレやすい季節は夏。夏は夕立が多く、その発生場所がズレてしまうことがよくあります。ゲリラ豪雨はまさにそうで、大気が不安定になることははっきりわかっていても、時間や場所をピンポイントに特定するのは難しいのです。

■「晴れ時々くもり」「晴れ一時くもり」の違いは?

予報用語の「時々」と「一時」は、天気予報でしょっちゅう出てきます。その現象が起こる合計期間が予報期間の4分の1以上、2分の1未満の場合は「時々」、その現象が連続して起こり、その期間が予報期間の4分の1未満の場合は「一時」を使うことになっています。

24時間分の予報の場合は、6時間以上・12時間未満が「時々」、6時間未満なら「一時」。つまり、「晴れ一時くもり」のほうが、晴れている時間が長いのです。もちろん、晴れ以外の雨でも雪でも使い方は同じです。

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