欧州鉄道「ワクチン接種後」の国境越え現地ルポ 4カ国通過、証明書はチェックなし…大丈夫?

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現在は、日本を含む8カ国を渡航規制解除国に加え、ヨーロッパ圏内へは必要書類を揃えていれば渡航することが可能となっている。とはいえ、まだ感染者が多い国も散見される。そもそも証明書をきちんと所持していなければならない。

オーストリアの夜行寝台列車ナイトジェット。夜行も含め国際列車の運行は従来に戻りつつある(撮影:橋爪智之)

はたして国境ではどのようなチェックが行われているのか。ワクチン接種から22日目、念願の接種証明書が発行された筆者は、その様子をこの目で確かめるため、プラハから国際列車に乗車してドイツのベルリンへと向かった。

プラハ―ベルリン間の国際列車は2時間間隔で運行され、両都市間を所要約4時間で結んでいる。プラハから約1時間半でドイツとの国境を越える。編成を前から順にのぞいてみたが、それほど多くの乗客が乗っているわけではなく、とりわけ1等車はガラガラだった。

この列車のルート上には、ちょうど中間点にドレスデンを挟むため、途中下車して観光を楽しむ人も多く、また路線は途中エルベ川やブルタヴァ川の渓谷沿いを走るなど風光明媚な路線としても知られ、普段であれば多くの外国人旅行客が利用する。

何事もなくドイツ入国

しかし頼みの綱である外国人も、まだ完全に規制緩和されていない現状では利用を期待できない。

食堂車の乗務員と雑談中、「普段なら多くの外国人が乗っている。あそこの席は日本人、そこは中国人、あっちはアメリカ人……みたいにね。旅行者が戻ってこないうちは、食堂車もこんなものだ」と空いた席を指さしてため息交じりに語った。満員の乗客を乗せて走る国際列車の復活には、まだ時間が必要のようだ。

そんな雑談をしていたら、いつの間にかチェコ国内最後の停車駅ジェチーンを過ぎ、国境を過ぎた。昨年10月以来、約8カ月ぶりの国境通過だ。そして、ドイツ最初の停車駅バット・シャンダウに停車するが、特に変わった様子もなく、すぐに発車した。

ドイツ政府のコロナ特設Webページには、国境を越える際に必要な書類などがいろいろと記されている。てっきり警察や保健省の職員が乗り込んできて厳重なチェックが行われるものと信じて疑わず、私も書類をスマートフォンですぐに見せられるように用意しておいたのだが、いきなり拍子抜けである。

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