定期券需要減、売り場は「シェアオフィス」に変身

東急駅員らが「手作り」、約2カ月でスピード開業

東急田園都市線長津田駅の旧定期券売り場を活用したシェアオフィス「TSO エキスル長津田」(記者撮影)
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コロナ禍で大きく変わった「通勤」のあり方。大手私鉄やJRなど鉄道各社はこれまで不変の屋台骨だった定期客の減少による苦戦が続く。需要減とともに自動券売機の活用やスマートフォンによるモバイル定期券などの普及もあり、定期券売り場の閉鎖に踏み切る鉄道も少なくない。一方で、テレワークの浸透に伴い、駅構内などで需要が増えているのが「シェアオフィス」だ。

そんな中、東急電鉄は閉鎖した旧定期券売り場のシェアオフィス転用に取り組む。7月12日開業の「TSO エキスル長津田」(田園都市線長津田駅)と「TSO エキ de work Kosugi」(東横線・目黒線武蔵小杉駅)だ。個人客を対象とし、約1年間暫定活用する。

駅のシェアオフィスは今や珍しくないが、両施設がユニークなのは旧定期券売り場の活用である点に加え、企画段階から駅係員や電車乗務員などの現場社員が参加したこと。施設の命名や営業時間などサービス内容の設定、室内の小物などは駅係員らの「手作り」だ。

定期券売り場が一気に閉鎖

長津田駅の「TSO エキスル長津田」は、田園都市線改札口のすぐ手前。フローリングの室内には、黒い木目の6人用大型テーブルとパーティションで区切られた3人分の席が並び、一見するとかつて定期券売り場だったとは思えない空間が広がる。

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内装は家具のサブスクリプションサービスなどを手掛ける企業「サブスクライフ」との協業。運営は無人で、入退室や決済はテレワークスペースの予約・利用アプリ「Suup」を活用する。

定期券の利用者数が全国的に落ち込む中、大手私鉄16社の中で定期客の減少率が最も大きかったのが東急電鉄だ。2020年度の定期客数は前年度比で33.7%減り、定期運賃収入も31.5%減少。同社は2021年4月末、それまで全16駅にあった定期券売り場のうち、長津田、武蔵小杉の両駅を含む6カ所を閉鎖した。

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