英小学教師が吐露「コロナ禍の学校教育」真の不安 浮き彫りになる対面授業ができないデメリット
――体育の授業はどうやっているんですか?
最初のロックダウンのときは、ジョー・ウィックス(イギリスのフィットネスコーチ)が大人気で、児童も毎日(YouTubeで公開された動画を見て運動を)やっていました。ダンスのカリキュラムでは、BBC提供の無料素材を使いました。BBCには本当に感謝しています。多くの教育関連の素材を無料公開してくれて、とても役に立ちました。
ただし、全般的に言うと、実際の授業面では、ロックダウン中にいいことは1つもありませんでした。オンライン教材がいくら優れているとはいえ、対面の授業にはかないません。児童がわからないことがあった場合も、電話や画面では教えきれない部分が相当あります。親もつねに、子どもの横に居られるわけではない。
そうなると、どうしても児童は勉強に集中できなくなります。教室で先生や友だちと一緒に学ぶ場合と比べると、上達度が違います。勉強以外のこと、つまり社会性を養うという部分も完全に欠如してしまいます。リモート授業にはいい点がなかった。それに尽きますね。
登下校の時間をクラスごとにずらした
――学校の再開に際しては、どんな懸念がありましたか?
元通りになったことに安心して、気が緩む児童や保護者が出る可能性があります。そのため、教職員と保護者向けに、リスクに関する資料を配布しました。
例えば、子どもの送迎では、門の周りに大勢がたむろしてしまう状態を回避しなくてはなりません。ですから、登校時間を変更し、クラスごとに登下校の時間もずらすよう調整しました。学校には門が2つあるので、クラスをそれぞれの門に振り分けました。登下校時に送迎の保護者がどうしてもそこで立ち話をしてしまうので、速やかに移動するよう勧告もしました。
昼食も、今まではホールでお弁当を食べる形でしたが、教室で食べるようにしました。これもクラスごとの「バブル」を維持する(ほかの児童との交流を避ける)ために必須です。
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