「共産党100周年」中国の若者達が語る党への本音 20代が考える入党のメリットとデメリット

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選挙がない国で、国民が政治を変えることは現実的ではない。自分の力で変えられないものに、愛情や関心を保ち続けるのも容易ではない。だから中国政府は愛国・愛党教育に力を入れざるをえない。

都市部の若者は競争と変化の中で「自分で変えられるもの」、つまり学歴やスキルアップに投資する。党員になるかどうかも、キャリアの一環として判断する。

安定を望む人は、共産党の傘に入ることを選び、自身の安定の基盤である党を支持する。親が「共産党員になってほしい」と望むのは、日本人の親の一定数が子どもに公務員になってほしいと考えるのと似たような感覚だろう。

共産党機関紙は寝そべり族を批判

最近、寝そべるという意味の「躺平」という言葉が中国で大流行している。仕事も消費も最低限にとどめ、低燃費で生きる若者の生態を指し、中国青年報や南方日報など共産党機関紙は「快適な環境に隠れていても、成功は決して天から降ってこない」「奮闘する人生こそ幸福な人生だ」と躺平を非難する記事を掲載した。

「奮闘より安定を選んだ上級国民の集団」、それが若者から見た共産党の姿だ。

「上級国民に叱咤激励されてもね。格差の上にいる人たちは、自分たちが若者を躺平にしていると思わないんですかね」。李さんは皮肉を交えて語った。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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