タイ・プーケット、観光業再開でも打開難しい苦境

人気のリゾート地でもデルタ株は広がっている

プーケット島カマラビーチのサーフボードのレンタルショップ(6月26日)

タイ当局は、人気リゾート地プーケット島で新型コロナウイルスワクチン接種済みの観光客の受け入れを再開することで、重要な観光産業の再活性化を推し進める計画だ。ただ、この地域でもより感染力の強いコロナ変異株であるデルタ株が広がっている。

プーケットでは、米国やスペインなど低・中リスクに分類された国からのワクチン接種を済ませた観光客を、1日から隔離措置なしで受け入れる。この試みが成功すれば、10月にも観光地をより幅広く再開する可能性がある。

タイの観光業はコロナのパンデミック(世界的大流行)前に国内総生産(GDP)の約20%を占めていた。これは世界平均の約2倍。プーケットでは観光業が経済・雇用に占める割合が90%を超えている。ビーチに人影はなく、多くのレストランやバー、マッサージパーラーが閉鎖されているため、今年の平均所得は貧困ラインを下回る見通し。

観光客受け入れ再開でも期待は低い。7-9月(第3四半期)に外国からプーケットを訪れる観光客は10万人にとどまると予測されている。パンデミック前の四半期には250万人余りが訪問していた。航空会社6社の予約データでは、再開後の最初の1カ月に426便のフライトと8281人の到着が見込まれている。

中国やシンガポール、香港などからの渡航客にとっては、帰国時に隔離が必要なことを考慮すると旅行先として魅力的ではない。

タイでは6月30日までの1週間で3万608人の新規感染が報告され、同日の死者数は1日当たりでは過去最多の53人となった。プーケット島の同期間の感染者は17人だったが、週間ベースで90人に達した場合、再開を一時的に停止する可能性がある。

原題:Phuket Opens for Business in Push to Save Vital Tourism Industry(抜粋)

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著者:Randy Thanthong-Knight

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