「自分の行動に責任持つ子が育つ」親の必須3行動 台湾の天才オードリー・タンの母に学ぶ教訓

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学校に行く準備も同じです。時間どおりに起きて、家を出るのは子どもの責任のはずなのに、毎日あなたが何度も起こしに行き、歯磨きしなさい、朝ごはんを食べなさいと言い、スクールバスに乗り遅れたら車で送ってあげるなんて、とても奇妙なことです。

まるですべてはあなたの仕事で、子どもとは無関係のようです。もし時間どおりに出発できたら、あなたは子どもに「ありがとう」とさえ言うんじゃないですか?

あなたをからかうのは良くないですね。では「人は誰しも食に対する自然な欲求がある」と言ったら、もっとシンプルに考えられるでしょうか。子どもが「この野菜はまずい」と言うなら、どの野菜が好きなのか聞いてみましょう。もし野菜は全部嫌いと言われたら、いったん「野菜を食べさせる」というこだわりや焦りを捨てましょう。

親は健康的な食べ物と温かい食卓を用意するだけでいいのです。何かを食べるよう急かしたり、お願いしたり、ほかのもので釣ったりする行為はすべてやりすぎです。もう「野菜を食べる・食べない」をめぐって争う必要がないと気づいたとき、子どもはあっさり野菜を食べるようになるかもしれないし、野菜のない食事を楽しむようになるかもしれません。

どちらにせよ親は親で食事を味わって、みんなで楽しく食卓を囲むことはできます。これが子どもを尊重しつつ、自分も満足するための知恵です。

子どもに合った学校を見つけるのは親の責任

学校の準備も同じことです。子どもに合った学校を見つけるのは親の責任ですが、あとは子ども自身の問題です。

『天才IT相オードリー・タンの母に聴く、子どもを伸ばす接し方』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

時間どおり起きる方法を知らなければ、目覚まし時計などの使い方を教えてあげましょう。時間を把握する方法がわからなければ、一緒に計算の方法を学びましょう。もたもたしてスクールバスに乗り遅れたら、当然歩いて学校に行くか、一日中家にいることになります。

子どもに対して「始める前から否定しない、途中で口を出さない、結果を馬鹿にしない」という3つを守りさえすれば、十分いい親です。

親がこんなふうに振る舞ってくれるだけで、このうえなくありがたいと思う子どもはきっとたくさんいるはずです。

子どもは自分の行動に責任をもって初めて自己管理を学び、自分で成功した経験があって初めて自信をつける。私はそう考えます。

今のままでは相手に従うだけの子どもや、敗北感や怒りを抱えた子どもだけがどんどん増えてしまう。あなたも私もそんなことは望んでいない。そうでしょう?

李 雅卿 種子学苑創設者

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リー・ヤーチン / Li Ya-Qing

1954年中華民国(台湾)生まれ。自らの子育てやジャーナリスト、社会運動家としての経験をもとに、1994年種子学苑を創立。台湾の教育改革に取り組んだ。主宰した台北市の自主学習実験計画(中高一貫教育)は、ユネスコの研究者に「アジア最高のオルタナティブ教育」の一つと評された。夫はジャーナリストの唐光華。長子は台湾デジタル相のオードリー・タン、次子は自主学習を広める活動に従事している。

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