君は日比谷線の新型車両を知っているか

東京メトロと東武鉄道が2016年度から導入

一方、新型車両は、片側4ドア・全長20メートルの車両の7両編成となり、編成によってドアの位置が変わることがなくなる。これは、将来のホームドア設置に向けた措置。新型車両の導入が完了次第、日比谷線は全駅にホームドアが設置される計画だ。

編成の全長は144メートルから140メートルと若干短くなるが、乗車定員は現在の平均約1026名に対して、新型車両は1023名とほとんど変わらない。ドアの数は7両全体で片側28カ所と、5ドア車の32カ所よりも減少するが、「全ての列車の全車両が4ドアとなるので、乗降に大きな影響はないと見ている」(東京メトロ広報部)。

1編成あたりの車両が減り、全て同じ編成となる分、メンテナンスコストの削減も期待できる。現状の輸送力を維持しつつ、ホームドアを導入して安全性を高め、コスト削減も図る。日比谷線の新型車両には、これだけの意図がある。

カーブの多い日比谷線を走れるのか

だが、実は20メートル車7両編成の導入は、そう簡単な話ではない。まず、20メートル車が現在の日比谷線を走れるのかという問題がある。

日比谷線は、埋設物も多い幹線道路の下を縫うように走る。そのためカーブが多い(銀座−東銀座間)

鉄道車両は、カーブでは車体の両端がカーブの外側に、中心部が内側にはみ出す。急カーブや全長が長い車体は、それだけはみ出す量が大きくなる。建設時期が古い日比谷線は、特に急カーブが多い路線だ。用地買収の難しさから、半径130メートルという通常は用いられない急なカーブも3カ所ある。

トンネルも、カーブでは一定の割合で拡大して作られているものの、基本的には18メートル車での運行を前提に設計されている。20メートル車が走行すると、建設当初の想定よりも車体が壁やホームに接近する。最悪の場合、壁に接触するといった恐れはないのだろうか。

これについて、東京メトロ広報部は「測定装置を使って全線の検証を行った結果、20メートル車の走行に問題がないことを確認した」と説明する。ただし一部の標識類は車両に接近しすぎるケースがあり、移設が必要になる。いずれにしても、トンネルを拡張するといった大規模な工事は必要ないことが判明した。

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