「大き過ぎてつぶせない」の急転換はパニック招く 習近平政権が直面するかくも深きジレンマ

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ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で国際政治経済を教え、システミックリスクセンター(SRC)で共同調査官も務めるジェフリー・シュワイロス教授は、「中国政府のデフォルト許容度は重要な地方国有企業に対しても高まっているが、華融や中国恒大はこれよりもはるかに大きく、よりシステミックな課題を突き付けている」と指摘。「レバレッジ解消や政府保証の取りやめは望ましくない結果や市場のパニックを誘発する恐れがある」と話す。

創建100年の祝賀行事を来週開く中国共産党にとって、何もしないという選択肢はもはやない。昨年の財政・金融刺激策で経済のレバレッジが記録的な規模に達した後、当局者はバブルリスクを繰り返し警告してきた。5月のクレジット指標を見れば当局の姿勢転換は明らかで、社債発行は4年ぶりの大幅減となった。

潜在的脅威の排除を狙い中国本土企業への締め付けも強化

習氏が最高指導者として重要な時期に差し掛かる中で、本土企業に対する締め付けはかつてなく強まっている。総書記として3期目が視野に入る来年の共産党大会を控え、この1年は同党に対する潜在的脅威の排除が強化されている。

中国当局はアリババグループやテンセント・ホールディングス(騰訊)など巨大企業への規制を強めるとともに、馬雲(ジャック・マー)氏やフードデリバリーを手掛ける美団の創業者、王興氏ら著名起業家に目立つ行動を控えるよう警告した。

北京大学でファイナンスを教えるマイケル・ペティス教授は、「大き過ぎてつぶせない」がすぐに「大き過ぎて救えない」へと転じ得ることが問題だと指摘。その上で「金融危機以降、中国はリスクを抑え込むことで安定を維持してきた。いつまでもそうすることはできない」と述べた。

原題:China’s Debt Reckoning Hammers ‘Too Big to Fail’ Borrowers (1)(抜粋)

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著者:Sofia Horta e Costa、Rebecca Choong Wilkins

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