中小企業「いつ会社を売るべきか」プロの納得分析 「タイミング次第」でM&Aの成否が変わる真実

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1つめは「業績がいい+事業意欲が減退」というタイミングです。「いまが売り時」という、とてもいいタイミングです。

「業績がいいのに、社長の意欲が下がっている」ことも

【タイミング①】業績がいい+事業意欲が減退 → いまが売り時

会社の業績がいいにもかかわらず、社長に事業意欲がなければ、社員が不幸になります。社長につられてやる気のある社員も意欲を失ったり、社員が離れていったりしてしまいます。

社長の事業意欲が下がると、そのうち業績も下がってくるものです。そうなって企業価値が毀損されないうちに、能力と意欲のある企業・経営者に経営を委ねることは有力な選択肢になるでしょう。

中小企業のM&Aの企業価値(株主価値)評価は、直近の利益額が最も影響を与えるので、やはり利益が出ているときでないと、なかなか価値がつきづらくなってしまいます。業績がよく、売り上げ・利益ともに成長過程にあれば、高く評価される可能性があります

業績がよくても事業意欲を失い疲れてしまった社長は、ここでいったん会社を売却して、ハッピーリタイアするもよし、新たな事業を始めるのもいいかもしれません。「業績がいいのに、社長の意欲が下がっているとき」は、いちばんの売り時といえます

【タイミング②】業績が悪い+事業意欲が減退 → 売れるときに売るべき

現在業績が悪く、また今後も回復する見込みがあまりないのであれば、売却可能なときに売却しておかないと、会社に「価値」がつかなくなり、倒産・廃業に追い込まれてしまうかもしれません。

そうなってしまうと、従業員も路頭に迷い、取引先にも迷惑がかかり、また倒産・清算に関わるさまざまなコストが発生します。

現状の業績がよくないとしても、会社がもっている技術、ノウハウ、従業員、ブランド、顧客、商圏、既得権などを評価する会社があるかもしれません。

「売却可能性」については、成功報酬のみで支援するM&A仲介会社に相談してみるのがいいと思います。着手金をとる仲介会社の場合ですと、着手金だけ払わされて、結局、「努力して買い手を探してみましたが、買収を希望するところが見つかりませんでした」ということになりがちだからです。

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