山手線トラブルで見えた「乗客への案内」の問題点 最寄り駅や振替輸送に関する知識の充実を

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19時過ぎ「もう動いているかな」と思って赤羽駅へ戻ると、駅の精算所とタクシー乗場は長蛇の列、都営バス乗場も混雑していた。駅の列車表示も埼京線、湘南新宿ラインともに「運転再開の目途はたっていません」となっていた。筆者はJR利用をあきらめ、振り替え輸送を行っているはずなので、駅員に「休日おでかけパス」を見せて「池袋へ行きたいのだが」と尋ねた。

すると「地下鉄で振り替え輸送を行っています。京浜東北線が動いていますので、東京へ行って丸ノ内線で池袋へ行けます」、さらに「京浜東北線で東京に行くうちに、山手線の運転が再開されるかもしれません」という案内だった。

ずいぶん遠回りなルートだと思い、「たとえば赤羽岩淵からの南北線には振り替えてないんですか」と聞くと、「南北線は池袋へ行かない」という答え。筆者が「いやいや、南北線は池袋へ行きませんが、後楽園で丸ノ内線に乗り換えるか、飯田橋で有楽町線に乗り換えれば池袋はすぐですよね」と聞くと、駅員は時刻表の地図のページを見て「それでも行けないことはない」といった感じの返事だった。

筆者は赤羽駅から赤羽岩淵駅まで10分ほど歩き、地下鉄で池袋を目指した。すると地下鉄の改札口では、事情を説明するまでもなく、JRの切符を見せると「振り替え輸送を行っていますのでどうぞどうぞ」といった対応で、南北線へ乗ることができた。

赤羽駅周辺はバスやタクシーを利用しようとしている人で混雑しているのとは対照的に、南北線は楽に座ることができ、スムーズに池袋へ到着することができた。赤羽駅は大混雑だったので、それらの人たちには申し訳ないほどである。

都会では500mも歩けば別の駅がある

今回の教訓は、鉄道会社の社員だからといって地域の交通事情に詳しいとは限らないということだ。自分が通勤で使っている路線以外のことは意外と知らないかのもしれない。まして自動車通勤の人は他社の鉄道路線を知らないのは当然だろう。

次に、利用者の多くがスマホの「乗換案内」などに頼っていて、これは正確なルート、時間を表示してくれるが、乗換駅と認識されている駅同士しか表示されないということだ。今回の赤羽駅と赤羽岩淵駅はこうした交通案内では別の駅と認識されている。

鉄道が多く交錯する都会では、乗換駅ではないが駅同士が10分程度歩けば行き来できるケースは多い。たとえばJR総武本線と地下鉄東西線が発着する西船橋駅と京成電鉄の京成西船駅は乗換駅ではないが、実際は朝の両駅間は通勤通学客が多く行き来していて、沿線住民だけが知る乗換駅なのである。

列車が止まったとき、沿線にこのような乗換駅ではないが乗り換えできる駅があるかもしれないので、鉄道会社の社員はぜひ機転を利かせて案内してほしい。

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