コロナ禍で「パリ離れ」が加速するフランスのなぜ 日本と似ている「一極集中」その解消への課題

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フランス人の多くは、在宅勤務が増え、自宅に仕事が持ち込まれたことにストレスがあった。コロナ新規感染者の減少で外出禁止令が解除された今、会社に戻れることを歓迎するビジネスパーソンも一定数はいる。さらにオフィスでの同僚との日常の会話が仕事の生産性を高める効果があるという理由で、出社が増えることに期待する経営者もいる。

とはいえ、多くの経営者は完全に元の状態に戻る可能性は低いと見ており、この際、在宅勤務を増やすことでオフィススペースを縮小し、リモートワークの長期化で養った生産性を向上させる新たな方法を継続的に活用したいという経営者も増えている。地方での採用の可能性も広がり、地方に移住したい社員へのインセンティブとしてもリモートワークは評価され、優秀な人材確保につなげるケースもある。

移住者を増やすための課題

消滅の危機にさらされてきた小さな村にとっては、都会からの移住者は学校や郵便局、医療施設の維持ができ、税収増のメリットもある。中には廃業していたパン屋や肉屋が復活した村もある。

しかし、移住者にとって必須なのは、何といってもインターネットがつながる環境だ。それも高速であるにこしたことはない。フランスではネットどころか携帯電話の電波も届かない地域があり、整備は喫緊の課題だ。

フランスでは全人口の77.5%が都市で生活しているといわれている。昨年のコロナ禍で地方の小規模の自治体と大都市の公共サービスの不平等が浮き彫りになった。

学校教育ではリモート授業に必要なネット環境整備や端末支給ができない村の問題も浮上した。子どもへの質の高い教育は重要だが、人口2000人以下の場合、高校がないことも視野に入れておく必要がある。

治安問題への考慮も必要だ。とくに孤立した一軒家を守るのは大変だ。生活必需品の買い物ができるショッピングセンターも生活には欠かせない。

農村部に引っ越した場合、新鮮な野菜を直接農家から入手したり、自分で菜園を作って野菜を育てたりすることもできる。その一方で田舎暮らしでは、パリにはいなかった害虫などへの対策も必要だ。ワイルドな環境に慣れるのは都会生活者には最初は大きな試練となる。

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