他人を妬む人がいるのも仕方がない生物学的理由 進化してもイライラや孤独感は捨てられていない

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さて、現代では新しいタイプのイライラが登場してきました。「紛争解決は暴力ではなく理性で行え」と言われますが、この「理性」を発揮するのにイライラが伴うのです。

理性の発揮には、複雑な物事を論理的に、そしてシステマティックに考えないといけません。そのときに主に使われるのが、額のすぐ裏側にある脳部分「前頭前野」です。この部分は、人類において進化した「もっとも新しい脳」であり、いわば「進化中の脳」なのです。

つまり、現代社会は理性を重視するようになったものの、人間は理性を十分には発揮できないのです。「理性で論理的に考えようとしてもうまくいかない」「感情を理性で抑えようとしてもうまくいかない」などと、イライラが高じます。思ったようにならない生物学的な理由があるので、しょうがないのです。

若者が勉強嫌いになるのもうなずける

にもかかわらず、現代社会では教育によって理性を育てようとしています。若者が勉強嫌いになるのもうなずけます。なにせ、前頭前野は「もっとも新しい脳」であるがゆえに、子ども時代のそれは完成からほど遠いのです。私たちはみな、そして若者はとくに、勉強しようとすればするほど、思い通りにならない自分にイライラするのは仕方のないことです。でも、勉強すると理性が充実していくのも事実です。

この際だから、イライラを楽しんじゃいましょう。イライラするのは、前頭前野に刺激が加わっているということです。理性が発達しているんですから、いいことなんです。新しい趣味や仕事を始めると、思い通りにいかずイライラしますよね。それでも、やがて慣れてうまくこなせるようになります。イライラの先には楽しいことが待っているのです。

「だったら最初からイライラが楽しければよかったのに」と思いませんか。じつは、古い脳が理性を使うのを妨害するからイライラするのです。理性はじっくり考える状態を作るので、身体が無防備になりやすく、警戒すべき状況をもたらします。そこで、過酷な自然環境で進化してきた古い脳は、考える作業は適当に切り上げようと、嫌なイライラを発動するのです。

もはや、危険な状況はほとんどなくなったので、イライラはいいことにしちゃいましょう。

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