元ひきこもりが「友人関係」で悩まなくなった理由 “幸せ"な人生のレールに縛られなくていい

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いつか、自分とすごく気の合う人と偶然出会える確率を上げる、“コミュニケーションの福祉機器”を、私はつくりたいと思っています。

「将来なにになりたいか?」は意味のない質問

生まれてから一度くらい「将来なにになりたいか?」と考えたことはあるでしょう。野球選手、銀行員、ユーチューバー、アニメ声優、政治家、ファッションデザイナー、アナウンサーなど、いろんな「職業」がありますが、時代の変化が激しいいま、これからすごく苦労してなりたい職業につけたとしても、仕事の内容が変わってしまったり、その仕事自体が無くなっていたりするかもしれません。

だからこそ「なにになりたいか」ではなく「なにがしたいのか?」を考えることはとても大切です。なにがしたくて大学に入るのか、なにがしたくて〇〇になりたいのか。「これがしたいから」と信じるものがあると、迷ったときの助けになりやすいです。

あなたの心を一番おどらせるのは、どんなときでしょうか。誰かに料理を食べてもらっているとき、絵をほめられたとき、ひたすら工作をしているとき、文章を書いているとき、謎に挑んでいるとき、大勢の前でスピーチをしているとき、人を笑わせているとき、人の悲しみを聞いてあげているときなど、きっとそれぞれでしょう。

あなたがすでに気づけているなら最高ですが、もしまだなら時間をかけてもいいから、いろんな世界を体験し、自分の目で「したいこと」を見つけてほしいと思います。自分の「したいこと」で生きていけるほど、世の中は甘くないしと思うかもしれません。たしかに昔はそうでした。でも今はネットがあります。

あなたが「したいこと」を続け、発信を続けていれば、地球の裏側からでも、あなたのそのユニークな仕事にお金を出してくれる人が現れる可能性があります。人の「能力」は、その人が持つ力そのものだと思われがちですが、実際は”喜んでくれる人がいるかどうか”です。喜んでくれる人を見つける事は才能を開花させる事と同義です。

覚えておいてほしいのは、これから「したいこと」で生きていくためには、「この人にやってもらいたい」「この人につくってもらいたい」と思ってもらえるような“他人との関係づくり”が大切になります。世の中は無情で合理的な方向に進んでいると思いがちです。

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ところが私たちは安い店よりも、友人が営む店を選んで食事をします。少しくらい遠くても顔なじみの美容院へ行くし、長年かかりつけの町医者に通いますよね。

つまり関係性さえあれば、腕は一流じゃなかったとしても、ただの趣味で“プロ”ではなかったとしても、「今度のキャンプでごはんを担当してくれない?」「ギターを演奏してほしい」といった依頼を受けることがあります。そのとき相手はプロの味や演奏を求めているのではなく、”あなた”にやってもらいたがっています。趣味からはじめ、喜ばれ、ほめられながらスキルアップし、少しずつお金を得る。そんなふうに「自分と気の合う人たちを見つけ、その人たちと生きていく」ということを、意識してほしいと思います。

吉藤 オリィ ロボット研究者

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よしふじ おりぃ / Ori Yoshifuji

株式会社オリィ研究所共同創設者代表取締役CEO。ロボットコミュニケーター。デジタルハリウッド大学大学院特任教授。分身ロボット「OriHime」の開発者。趣味は折り紙。

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