アメリカで大問題「スタバで品切れ続出」の真相 ドリンクやフードを作る材料が各地で足りない

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しかし、スターバックスはパンデミック下の経済において明確な勝者の1人となったことで、「ベリーベリーハイビスカスリフレッシャーズ」や、アーモンドクロワッサンの材料を切らしている。

ロックダウン中、同コーヒーチェーンは、人々が仕事や打合せでながながとおしゃべりして長居できる「サード・プレイス」としての立場から、モバイルアプリやドライブスルーで注文する方式の客との手間のかからない便利な取引に重点をすぐ切り替えた。同社の幹部は今年初め、スターバックスはアメリカでの売り上げが「完全に回復」し、パンデミック前の水準に戻ったと語った。

スターバックスの広報担当者は声明の中で、同社は一部の商品が「一時的な供給不足」になっていると述べた。同担当者は、商品の不足は場所によって状況が異なり、一部の店舗では「さまざまな商品が同時に品切れとなっている」と述べた。同社は目下、供給会社と協力してできるだけ早く商品を再入荷するよう取り組んでおり、サプライチェーンの問題は価格に影響していないと付け加えた。

全国的に「キャラメル」が不足している

グローバルサプライチェーンの問題については多くの人がある程度のことを知っているが、スターバックスの客の中には、それでもなおコーヒーを思い通りに手に入れられないことにショックを受け、さらにはひどく腹を立てている人もいる。一方で、それを笑い飛ばしている人もいる。

「全国的にキャラメルが不足しているので、キャラメルのショットは追加できないと言われました」。ルイジアナ大学モンロー校の薬学生、ニコル・ブラシアさん(24歳)は、5月下旬にアイスキャラメルマキアートにエクストラキャラメルドリッゾルを追加して注文したときのことについて語った。「『キャラメルってただの焦げた砂糖じゃないの?』と私はただ笑ってしまう感じでした」。

スターバックスの問題はたんに一杯のコーヒーを売っていたわけでないことである。多くの人にとって、チェーン店を訪れる体験こそが、自分への気ままなご褒美なのだ。

客はサイズやスペシャルドリンクに関する言葉を覚えて、自分用にカスタマイズされた12の材料からなるドリンクのオーダーをソーシャルメディアでシェアする。多くの人が、夏の「ユニコーンケーキポップ」や、「ストロベリーファンネルケーキフラペチーノ」など、期間限定で食べられる季節のスペシャル商品を楽しみにしている。

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