ゴキブリを見て「不潔な生物」と逃げる人の勘違い

「刷り込み」が人間の判断力を曇らせる理由

とらえ方次第で、ある原因がストレスになることもあれば、ストレスにならないこともある。その物事のとらえ方は、あなたがこれまで生きてきたなかで、どこかで形成された「刷り込み」によるものなのです。これは、「考え方のクセ」とか「思い込み」とか「思考グセ」と言い換えてもいいかもしれません。

そして、あなたのストレスを大きくしてしまうような「刷り込み」のことを、ここでは「脳の錯覚」ということにします。「脳の錯覚」を正していけば、あなたがストレスに感じることはどんどんと減っていき、生まれ変わったようにラクに生きることができるのです。

現代は、さまざまな情報にあふれています。「ネットでこんな怖い情報、流れてた……」と、不安な気持ちに支配されてしまうこともあります。「将来どうなってしまうんだろう……」と悲観しすぎていたら、ちょっと立ち止まって、「脳の錯覚のせいかもしれない」と考えてみましょう。

なぜ初等教育で「刷り込み」がなされるのか?

このほかにも脳の錯覚の原因ともなる、さまざまな「刷り込み」について、見ていきましょう。この社会には、都合のいいもの、都合の悪いものを含めて、さまざまな刷り込みがなされています。

まず、私たちにもっとも影響を及ぼす刷り込みといえば、「学校教育」です。『すべての教育は「洗脳」である』という本を書いたのは、ホリエモンこと堀江貴文さんです(光文社新書)。

洗脳という強烈な言葉が適切かどうかはともかくとして、学校教育の目的のひとつが、刷り込みであることは確かです。

「チャイムがなったら席につく」「授業中はおしゃべりしてはいけない」「信号が赤になったら、止まらなければならない」

初等教育ではこういったことが、刷り込まれていきます。国語では「山、川、海」といった漢字を覚え、算数では「1+1=2」という式を覚えます。

ではなぜ、初等教育において、こういった刷り込みが必要なのでしょう。それは、人と人とが意思疎通をするさいには、「共通言語」が必要であり、社会で生きていくために「ルールを覚えること」が必要になるからです。

たとえば同じ文化圏に、出会ったときの挨拶を「こんにちは」という人と、「ハロー」と言う人と、「ニーハオ」と言う人が混在していたら、コミュニケーションがとりにくい。

日本人にとって、信号の「進め」は「青」ですが、アメリカでは「グリーン」です。日本人なら、ニワトリの鳴き声は「コケコッコー」ですが、アメリカでは「クックドゥードゥルドゥー」です。

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