婚活サービスを訝る人が知らない「成婚」のリアル 結婚した男女は今どこでどう出会っているのか

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ですが、人類は子孫を残し敗北しませんでした。ここで登場するのが、「婚活」です。実はさきほどの国立社会保障・人口問題研究所の調査には、1つ大きな欠点があります。最新データが2015年で止まっているのです。そして、この5年で大きく変化したものがあります。それが、マッチングアプリによる婚活の隆盛です。

リクルートブライダル総研の「婚活実態調査 2020」によると、恋愛・結婚意向のある独身者の4人に1人は婚活サービスを利用した経験があります。また、婚活サービスを通じて結婚した方は13.0%と、1割を超えています。いまや、婚活を通じての結婚は、アルバイト先や街中での出会いよりも多いのです。

ジャンル別で見ると、マッチングアプリなどのネット系婚活サービスを使って成婚されている方が最も多いのですが、そのほかのいわゆる伝統的な結婚相談所や、婚活パーティ・イベント経由の成婚も長期トレンドで増えています。婚活自体の、成婚率が上がっているといえそうです。

ほかの出会い方と比べるととてつもなく効率的

しかも、婚活サービスを「利用した」と答えた方が、実際にそのサービス経由で結婚した比率は42.8%にのぼります。婚活へ真剣に取り組めば、2人に1人は結婚できるわけです。これは、ほかの出会い方と比べると、とてつもなく効率的です。

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実際に私はオーネット、キャリ婚、そしてPairsをはじめとするアプリ20個を稼働させて婚活を経験しましたが、1対1ならコミュニケーションに難がある私のような人間でも、なんとかなりました。パーティで気の利いたオシャレな会話はできなくても、婚活では許されるのです。

婚活を始めてみるまでは、自分のことを棚に上げて「変な人しかいなかったらどうしよう」と怯えていたのですが、いざ出会ってみると自分よりまともな男性ばかり。

婚活では丁重な断り文句として「あなたのような立派な方は、私にはもったいない」という字面があるのですが、私の場合は文字通り「私にはもったいない」素敵な男性たちのはざまで嬉しい悩みを抱えていました。成婚者の13%が出会っている婚活市場は、すでに特殊な出会いの場でも何でもなく、普通に素敵な男性たちが多数いる場所となっているのです。

トイアンナ ライター・起業家

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といあんな / TOIANNA

1987年愛知県生まれ。外資系企業でマーケティング業務に携わったのち、独立。主にキャリア・恋愛の2軸で執筆しつつ、短期集中型のオンラインビジネススクール Skill BootCamp(スキルブートキャンプ)を創設するなど、理論と実務の両立を目指す。書籍『確実内定』『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本』など。

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