婚活サービスを訝る人が知らない「成婚」のリアル 結婚した男女は今どこでどう出会っているのか

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出会いとともに大事なのが、出会った先で「恋愛対象」になる割合です。リクルートブライダル総研では2013年に、告白されやすい人、すなわち恋愛結婚につながるチャンスを多数持っている人と、そうでない人との差を調査しました。それによると、女性はこれら3つの条件を持っている人が、有意に恋人を持っている比率が高いとわかっています。

• 相手に合わせて柔軟に対応できる(告白された経験あり57.0%、なし27.5%)
• 初対面でもすぐに打ち解けられるタイプである(告白された経験あり36.4%、なし9.3%)
• 何ごとも興味を持ち、前向きに取り組んでいくほうだ(告白された経験あり41.9%、なし19.8%)

柔軟さ、話しかけやすさ、好奇心の強さ。この3点がどうやら、恋愛では「モテる」要素となっています。考えてみれば、気になる相手に合わせてこだわりなく自分を変えられて、最初から仲良くなりやすく、そして相手の趣味や関心へどんどん興味を抱いてくれる女性というのは、モテて当然ともいえますね。

ただ、過剰に恋愛市場へ適応しすぎると?

ただ、結婚と恋愛は似ているようで異なります。この3つの条件、もし過度に持ちすぎていたらどうなるか想像してみましょう。

男性に合わせて自分の趣味やファッション、仕事も変えられてしまう女性。初対面でどんどん仲良くなり、広く浅い交友関係になる女性。そして、何ごとも興味を持ち、相手の趣味をそのままわがものとして吸収してしまう女性。たしかに、彼女はモテるかもしれません。しかし、相手の趣味嗜好、価値観に引きずられて不幸な恋愛をする可能性も出てきそうです。恋愛でモテることと、幸せな結婚をすることはまったくジャンルの異なる話です。

これらの要素は自分がもし「異性からモテたい」と考えるなら、多少取り入れてもよい要素でしょう。しかし、過剰に恋愛市場へ適応しすぎると、自立した人生から遠ざかるおそれが出てきます。おそらくそれは、結婚したいと思っている方が望んでいない方向性でしょう。

ここまで、友達の多さや、初対面での打ち解けやすさなど、ざっくり「コミュニケーション能力」といわれる面が、いかに結婚や恋愛に関係しているかを見てきました。

では、これらのスキルを持たない女性は、結婚できないのでしょうか。いいえ。この世の多数派は、コミュニケーションが苦手です。もしそうならば、人類は絶滅していてもおかしくありません。

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