なぜか「5~6月は残虐事件が目立つ」謎と共通点 6月8日は池田小事件、秋葉原通り魔事件が発生
池田小学校の事件を引き起こした宅間守元死刑囚は、人格的な問題もあって、他者とのコミュニケーションがうまくとれず、トラブルを引き起こし、逮捕歴も十数回に及んだ。
何をやっても裏目に出る人生。理想の自己像とも程遠い。こうなったのは誰のせいだ? 俺が悪いのか? それがいつしかエリートへの逆恨みになり、かつて入学がかなわなかった池田小学校を襲う。
秋葉原の歩行者天国を襲った加藤智大死刑囚も、親の望んだエリートへの道を断念した経歴を持つ。有名大学への進学を諦め、派遣労働を転々としながら、職場での人間関係もうまくいかずに孤立していく。
やがてネット掲示版に自分を受け入れてくれる居場所を見つけたつもりが、そこでもうまくいかなくなり、そんな状況に反抗するように事件を引き起こしている。それも目立つことで社会の注目を引きつけようとする。
裁判では得てして、精神状態が争点となるが、いずれも刑事責任応力は認められて、死刑判決が確定。宅間元死刑囚は一審判決後に控訴を自ら取り下げ、2004年9月に執行されている。
共通しているのは「他責」の傾向
自分を責めることを「自責」というのであれば、責任を他所に求めることをあえて「他責」と呼ぶ。彼らに見受けられるのは、その「他責」的傾向だ。
自分は悪くない、原因はほかにある。そこに、恵まれない境遇に対する不満の蓄積と、自己顕示力の強さが拍車をかけ、孤立した環境の中で、犯行を肯定するような理論や価値観を自ら構築して、大量殺人を引き起こす。
これは、2016年7月に神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の入所者ら45人を死傷させた植松聖死刑囚にも共通するものとして、過去にも分析している(「45人殺傷『植松被告』に見る大量殺人犯の共通点」)。
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