日銀の委員が物価上昇させる手段はないと認める 足立委員が「あれば既にやっている」と語る

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日本銀行の安達誠司審議委員は2日、現状において物価上昇を加速させる手段は思いつかないとし、「あれば既にやっている」と語った。オンライン形式で行われた静岡県金融経済懇談会後の記者会見で語った。

安達氏は、2%物価目標の実現には「辛抱強く現状の緩和を続け、物価が基調的に上がっていくのを見ていくことしか現状はない」と指摘。特に現在のような感染症が経済に大きな影響を与えている状況の下では、実質金利の動向など金融緩和度合いを測るのは難しく、「その中で政策を打つのは不確実性が高い」との見解を示した。

4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比0.1%低下と、携帯電話通信料の値下げの影響などで低下幅は4カ月ぶりに拡大した。日銀の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で示されたコアCPI見通しは、2022年度が0.8%上昇、23年度も1.0%上昇にとどまる。

安達氏は、米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を開始した場合の影響については「円高になれば何かしなければいけないとの話が出てくる可能性はあるが、事前には分からない」と語った。インフレ懸念への対応であればリスク回避の動きにはならず、「円高にならない可能性がある」との見方を示した。

5月の上場投資信託(ETF)の買い入れ額が、黒田東彦総裁の下で初めてゼロとなったが、「政策点検を受けた妥当な対応」と評価した。

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著者:伊藤純夫

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