山本一郎、ヤフーの「全記事削除」で痛感した矛盾

書き手にとって死活問題、「恣意性の高い運用」

個人投資家、作家として活動する山本一郎氏。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も(記者撮影)
さまざまなジャンルの専門家や文筆家が、自身の取材や見解に基づいた記事を投稿する「Yahoo!ニュース個人」。このコーナーで長くオーサー(著者)を務めてきた山本一郎氏とヤフーとの間で、配信記事の「全件削除」をめぐってトラブルが起きた。2020年2月にオーサー契約を終了した山本氏の過去記事を、ヤフー側が今年3月、「システム刷新」を理由に削除。これに山本氏が反発している。
両者の主張は食い違ったままで、山本氏は削除という対応に「納得していない」と話す。今回の一連のやり取りやこれまでのオーサー活動を通じ、ヤフーニュースにどんな課題を感じるのか。山本氏を直撃した。

プラットフォーマーの優越性を強く感じた

――「Yahoo!ニュース個人」における山本さんの記事削除について、改めて経緯を教えてください。

削除されるにあたっては、ヤフー側からは今年1月末、その旨を事前に通知するメールが一方的に送られてきただけだ。削除されてしまったらどこにも復旧できなくなってしまうので、私からはひとまず「納得はしないけれど、データはください」と返信した。

それでデータ自体は送ってもらったが、その後に面談等で話し合いができると思っていたらそういったこともなく、いきなり削除されてしまった。

執筆の契約自体が解除になったのは2020年2月のこと。そのときヤフー側には「契約解除後も記事は消さない」ことを了承してもらっていた。これはメールにも残っている。個人の書き手にとって記事は自分の資産そのもので、削除されてしまえば今後仕事をしていくうえでの死活問題になりかねない。

自分の場合は執筆記事の内容をめぐる訴訟も複数抱えていた。その多くは「記事削除を求める裁判」だ。私としてはそれに応訴しているのに、その前提が突如変わってしまい、非常に困惑している。

新聞社や個人から集めたニュースコンテンツについて、ヤフー側が自由に掲載したり、外したりできるのがヤフーニュースのやり方であることは認識していた。ただ、いざ自身がそれに直面すると、プラットフォーマーの優越性を強く感じた。

(削除は)彼らの事情に依拠しているものなので、私からは「恣意性が高いのでは」と意見したが、結局折り合いがつかなかった。

東洋経済プラスの連載「Yahoo!ニュースの憂鬱」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。連載では以下のインタビューなども配信しています。

Yahoo!ニュースの「中立性」に媒体社が抱く不信

ヤフー側担当者「三方よしのサービスを作る」

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