中小企業M&A「売れる」「売れない」会社の決定的差 買い手に「魅力的」と思わせる会社の特徴は?
「売上規模に比べて借入金が多すぎる」場合や「債務超過の会社」も、売却は困難です。
借入金の適正水準は業界、ビジネスモデルやその企業の資産状況によっても変わるので、なかなか一概にいうのは難しいのですが、年商の半分以上の借入金があれば、売却は非常に厳しいといわざるをえません。
「従業員が数人程度で、従業員の属人的な能力に依存している会社」も売却は難しいといえます。たとえば、コンサルティング会社やデザイン会社などです。
社員が何十人もいれば、M&Aを機に社員が2〜3人辞めても影響はほとんどないのですが、数人の会社で2〜3人の能力のある社員が辞めると、譲渡前の業績を維持することができないためです。
安定した「社内体制」がM&Aの成功につながる
では、どのような会社であればより売却しやすいか、つまり買い手にとって魅力があるのでしょうか。「社内体制」「財務内容・規模」「M&Aのプロセス」の3つの観点から説明します
◎権限委譲が進んでおり、オーナー社長が抜けても業績に与える影響が限定的
◎社内にノウハウが蓄積していて組織的に仕事をしている
◎決算数字が信頼でき、経営管理がしっかりしている
◎コンプライアンス上の問題がない
オーナー社長が抜けたとき、売上・利益が下がり、会社の価値が大きく毀損されてしまう可能性を買い手は非常に懸念します。実際にはオーナー社長の影響力が大きい会社が多いのですが、理想的には「オーナー社長が抜けても、影響があまり出ない会社」が買い手には好まれます。
また、属人的な仕事のやり方ではなく、社内にノウハウが蓄積していて、組織的に仕事をしている会社も買い手から好まれます。
売却を検討されている場合は、なるべく早い段階から、権限委譲を進め、組織づくりに力を入れることが重要となります。
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