「極ZERO」参上、沸き立つ発泡酒市場

サッポロの再発売にライバル勢が一斉に追撃

2014年度は550万ケースを販売目標に掲げ、2月には中身とパッケージをリニューアル。「黒ラベル」、「ヱビス」、「麦とホップ」に続く第4の柱として育成するため、さらなる拡大に力を入れていた。ところが6月4日、サッポロは「極ZERO」の販売を終了し、発泡酒として再発売するという意外な方針を打ち出す。商品名はそのままにしてジャンルだけを変えるのは、前代未聞のことだった。

販売終了のきかっけは今年1月、酒税の適用区分を確認する目的で、国税当局がサッポロに製造方法の情報提供を要請したこと(関連記事「サッポロ、『極ZERO』販売終了の波紋」)。酒税法上でいわゆる第3のビールに該当するためには、使用できる原料や製法が限定される。当局の要請を受けて税法上の区分に該当するかどうかを自主検証したが、それが確認できていないというのだ。サッポロは、あくまで「極ZERO」は第3のビールに該当するとしながらも、仮にそれに該当しないことが判明した場合、急な出荷停止や酒税の追加納付額が膨大になるリスクがあることを考慮し、販売終了に踏み切ったと説明している

116億円の特別損失を計上

6月20日には酒税の自主的な修正申告を行うこと、これに伴って追加的な酒税納付額として116億円を14年6月期の中間決算で特別損失に計上することを発表した。サッポロホールディングスの今期の最終利益見通しは50億円。現段階で業績予想の修正はしていないが、資産売却などで特別利益を計上しない限り、大幅な赤字に転落するおそれがある。 

いずれにしても、発泡酒として再スタートを切った「極ZERO」だが、懸念がすべて払拭されたわけではない。ひとつは値上げの影響だ。350ミリリットル缶で第3のビールと発泡酒の税率差分は20円程度あり、店頭価格もその分が引き上げられる。見た目もほぼ変わらず、売り文句も同じで値上がりすることに対し、消費者がどれだけ許容するのか。もうひとつは、「プリン体ゼロ、糖質ゼロ」を謳った“機能性発泡酒”が乱立し、これまでアピールしてきたようなオンリーワンの商品でなくなることだ。

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