社長・前田敦子が語る「私と仕事とお金と子育て」 「日々成長していくわが子に負けていられない」

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――生活というものをきちんと実感して生きていらっしゃるのですね。

経済観念はあるほうだと思います。それは祖母ゆずりのようです。というのは、今朝たまたま母と祖母の話をしたときに気づいたんですよ。祖母は今95歳でまだ元気にしているのですが、1人でも自立して生きていけそうなちゃきちゃき系なんです。

私が幼い頃は、九州の方言で、よく「しゃがらしか!(うるさい)」って怒られていたので、孫に厳しいおばあちゃんというイメージをもっていました(笑)。でもそれだけではなく、とても堅実な人なのだという話を、私は今日初めて聞いたんです。私は私立の幼稚園に通わせてもらっていたんですよ。制服があって、送り迎えもあるような、月謝の高めな幼稚園に(笑)。子ども心にそれがすごくうれしかったことを覚えていたのですが、実はその入園料は祖母が母の名義で貯めていた通帳をプレゼントしてくれたものから出ていたそうで。その事実を今日初めて知ったんです。

なんでも桁が違うくらい貯めてくれていたらしくて(笑)。自分のことには使わないけれど、そうやって子どもたちの将来のために、孫のために、とやりくりして貯金することが上手な人だったということを知りました。よく母は私のことを「おばあちゃんにそっくりだ」と言っていて、てっきりそれはちゃきちゃき系の部分かと思っていたら、お金を貯めることも祖母譲りで得意なんだと今日思ったんです(笑)。

――貯金が得意なんですか。

お金の大切さみたいなのは昔から感じていました。私ちょっと変わった子供だったんですよ。

「私、お小遣いは要らない」と言っていたんですよ。母や父からもらうお小遣いは家のお金であって、結局は私個人のものにはならない。だったらそれは家族みんなで使ったほうがよくない?と考えていたんです。

経済用語で言ったら「内部取引」なので売り上げにならないということですよね(笑)。「1,000円もいらない」「お年玉もいらない」とお断りして、最高で500円をもらうだけでした。ただ、おじいちゃんとおばあちゃんからは家の外のお金とみなしてありがたくいただいていましたけれど(笑)。とにかく親のお金を使いたがらない子だったんです。

――では、お子さんにもお小遣いはあげないんですか?

ん〜。そこは、なんか甘やかしちゃいそうだなと思うんですけどね(笑)。自由に使えるお金はあまり与えないようにはします。

社長・前田敦子として

――独立されてから何か変わりましたか。

独立してから4カ月。仕事への責任感が増しました。AKB48に所属していたときは、ただただ言われたことをこなすような毎日で。「明日は◯◯」というスケジュールが届いて、当日、迎えに来てもらって、着いた場所で「ここはどこですか?」と聞くほど、何も把握していなかったんですよ。

今は、車を運転してもらっているとはいえ、行く場所をあらかじめ把握していますし、それまでの準備も全部自分でやっています。マネジャーさんの女の子に細々したことはやってもらってはいますが、彼女に何をしてもらうか把握しているので、以前とは違います。それだけでも「あ、私社長やってる!」みたいな実感を覚えます(笑)。そんな時代が自分に来るとは思わなかったです。

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