教訓:苦手な分野に挑戦して、新しい能力を磨く
テレビのバラエティ番組については、近年ではソロでのレギュラー出演も目立ってきた。ターニングポイントとなったのが、2000年10月から放送されたテレビ朝日系「T×2 SHOW」である。トークがあまり得意ではなかった高見沢が、この番組で初めてレギュラーを務めた。
内容は、吉田拓郎と高見沢の2人が、ゲストとトークをするというもの。それまでトーク番組のレギュラーなど考えられなかった高見沢が、大先輩である吉田拓郎の誘いを断るわけにもいかず、出演が決まったらしい。しかも、当初、メインは吉田拓郎だと聞いて引き受けたが、いざスタートしてみると、ほとんどの進行を高見沢が任されてしまった。
ちなみに、番組内で吉田拓郎に「王子」と呼ばれたのが、現在の王子的キャラクターが確立されたきっかけである。結果として、高見沢の個性が引き出され、トークの話術が磨かれた。ここから、苦手な分野にも挑戦し、壁を乗り越えれば、新たな道が開けるという教訓が得られる。高見沢を挑戦の入り口に立たせた吉田拓郎の功績も非常に大きい。
「新堂本兄弟」は、吉田拓郎がレギュラー出演していた「LOVE LOVE あいしてる」(1996年10月5日~2001年3月31日まで放送)が前身となっている。この番組に坂崎がレギュラー出演しており、生演奏を取り入れたスタイルが始まった。そのスタイルは、2001年スタートの「堂本兄弟」、2004年スタートの「新堂本兄弟」にも継承されていく。
教訓:若い世代との交流で、お互いに高め合う
2003年からは高見沢がレギュラーに加わった。高見沢は、自分の子どもや孫世代と言えるほどの若いアーティストやタレントに対しても、決してベテランの貫禄で威圧したりしない。つねに同じ目線でトークに参加し、「タカミー」と呼ばれ、親しまれている。時にはいじられながらも、尊敬される存在となっている。
番組で共演したアーティストらと交流を深め、それがお互いに刺激を与え合っているようだ。高見沢にとっては、若い世代しか持っていない感性や力が自身の活動に好影響を与え、若い世代にとっては、高見沢の人間性や音楽的スタイルが目標のひとつになっているのだろう。
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