2位は武田薬品工業の85.0億円。2017年度55.9億円、2018年度36.2億円と大きく増加している。
武田医学賞、研究助成、国際シンポジウム、外国人留学支援などを実施している「武田科学振興財団」を運営。菌株の保存事業や研究助成事業を行う「発酵研究所」への支援、日本交響楽振興財団への寄付をはじめ、光・十三・湘南地域における清掃ボランティア活動にも取り組んでいる。ほかにも新型コロナでの金銭寄付や自社製品提供等も行っている。
3位は2020年12月に上場廃止となったNTTドコモの77.9億円。2017年度の64.8億円、2018年度の88.2億円と高い水準を維持している。全国49カ所、総面積210haの「ドコモの森」づくり、アジア諸国の留学生を支援する「ドコモ奨学金事業」、身近なトラブル対処方法を啓発する「スマホ・ケータイ安全教室」の全国無償開催など幅広い取り組みを行っている。
以下、4位三井不動産67.3億円、5位日本生命保険66.3億円、6位日本電信電話(NTT)66.3億円、7位サントリーホールディングス65.4億円、8位セコム60.2億円と続く。
10億円以上を支出しているのは64位の東日本旅客鉄道(JR東日本)まで。上位100社の合計は1904億円と多くの金額が社会貢献活動に使われている。
経常利益に占める社会貢献の割合は?
続いて経常利益に対する社会貢献支出額が占める比率(「社会貢献支出比率」)を見ていこう。バラツキをならすため経常利益と社会貢献支出額はそれぞれ3年平均で計算。さらに利益が低く比率が高くなる企業を除外するため、売上高経常利益率1%以上、ROEプラスを条件とした。
1位はアース製薬の18.48%。経常利益35.6億円に対して6.5億円を支出している。タイでデング熱予防のため学校や病院などを通じ予防行動を呼びかけ自社商品を提供するなど、殺虫剤が主力の同社ならではの貢献を行っている。
国内でも多くの活動に取り組んでいる。歯磨きを嫌がる子どもたちに「洗口液の習慣化」を促すために全国の幼稚園などで「モンダミンキッズ体操」を実施。小学校への出前授業「アース虫の学校」を開催し、虫に関する授業も行っている。大学のキャンパス環境整備や学生の奨学金制度、研究支援といった活動にも積極的だ。
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