企画が通らない人のひどく残念な時間の使い方 「熱い思い」以上に人の心をつかむ武器はない

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n=1のリサーチで、ユーザーの気持ちに向き合ったら、改めて、コンテンツのどの部分をどう見せれば、そのユーザーが惹かれるかを考えます。コンテンツそのものは変わらなくても、それを伝える言葉やタイミング、伝えかたなどが変わってくるはずです。こうした過程を経て企画の質が高まるのです。

n=1の対象は、家族でもいいし、友達でもかまいません。企画の対象となるnを何人かキープしておくと、継続的にリサーチができて、とても有効です。慣れてくると「自分がもしnだったら」というシミュレーションもできるようになります。ユーザーのニーズ、視点がつねに自分のなかにあれば、それはもう強力な武器になるでしょう。

n=1のリサーチでコンテンツをブラッシュアップしていくと、再提出するときの企画は「カレーの美味しい店特集」ではなく「朝のライスカレーは遅筋に効く」(事実かどうかは知りません)などという一歩踏み込んだタイトルに変わってきます。資料もカレーの薬効成分と筋肉の関係を示すデータや、カレーの名店リストではなく「朝からカレーを食べられる店」をピックアップすることになるでしょう。これがコンテンツのつくりかたです。

企画を上司に再提出するときも「ユーザーの抱えるこの課題を解決するために、こうしました。ここにニーズが眠っています」と主張するのが最大の決め文句になります。なぜなら、これはn=1のリサーチをした人だけが言える内容だからです。上司も具体的な課題を提示されれば「あ、なるほど」と自分事に企画を捉えるようになります。実は徹底的にユーザーに向き合うことは、上司に向き合うことでもあるのです。

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