5人に1人「生まれつき繊細な人」の幸福な感性 病気ではなく、資質であり、個性だ
私は「家族でもわかりあえないことがある」という事実を受けとめるのに何年もかかりましたが、「仕方ない」と思えるようになったのは、自分の本音を大切にできるようになり、やりたいことをやって、共感できる仲間を見つけられたからです。
自分に合わない職場や学校にいる方は本当にたいへんだと思います。繊細さを封じて耐え続けるのではなく、どうか自分に合う環境を探してみてください。少しでも自分が安心できる、自分がすごしやすい場所へ移動することに、力を注いでほしいです。
仲間をたくさん見つけるコツ
――「わかってくれる人」はどのようにして見つけることができますか。
小さなことからでいいので、やりたいことをやるのがいいですよ。絵を描くといった趣味でもSNSでも、やりたいことをやっていると、自然と気の合う人と出会えるようになります。年齢や住んでいる場所がちがっても、似た経験をしていたり価値観が近かったりと、「人生の同期」といえるような相手に出会いやすくなるんです。
お店やイベントに興味を持ったら実際に行ってみるのもいいですね。積極的に話しにいけなくても大丈夫です。そこに集まった人たちを目にするだけで、雰囲気がわかると思います。いいなと思う場所には、自分と似た感性の人たちが集まっているものです。「この人といっしょにいると落ち着くなぁ」と思える相手を探してみてくださいね。
そして、自分のことを、まずは自分がわかってあげてください。理解された経験が少ないと、感覚や気持ちをわかってくれる人が現れたとき、「私のすべてをわかってほしい、受け入れてほしい」と、相手のなかに自分の居場所を求めてしまいます。
でも、自分の居場所は、まずは自分のなかにつくることが必要なんです。「こんな自分はダメだ」と自分を責めるのではなく、「これまでよくがんばってきたね」と自分で自分をいたわり、「まわりとちがう」と悩んできた自分の感性をいつくしんでください。
何度でも言いますが、あなたの繊細さはあなたに幸せを運んでくれるとても素敵なものです。のびのびと自分の感性を解放し「私らしい」人生を歩いていきましょう。
――ありがとうございました。(聞き手・瀧本裕喜/編集・本間友美)
武田友紀(たけだ・ゆき)
HSP専門カウンセラー。自身もHSPである。大手メーカーで研究開発に従事後、カウンセラーとして独立。HSPの心の仕組みを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判を呼び、全国から相談者が訪れる。著書に50万部を超えるベストセラーとなった『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)、『「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社)などの"繊細さんシリーズ"がある。
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