トヨタ「ルーミー」が堅調な販売を続ける背景 トヨタのサブスク「キント」が購買を後押し?

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2020年11月25日にフルモデルチェンジを発表したスズキ「ソリオ」と「ソリオ バンディット」。ソリオの価格は158万1800円〜214万8300円。ソリオバンディットの価格は200万6400円〜213万1800円(写真:スズキ)

ルーミーの競合と考えられるのがスズキ「ソリオ」だ。ソリオは、コンパクトカーのトールワゴンとしてはルーミーの先輩格であり、「ワゴンRワイド」と呼ばれた1997年まで初代はさかのぼる。ワゴンRワイドは、スズキが1993年に発売した軽自動車のハイトワゴン「ワゴンR」を、登録車のコンパクトカー向けに拡大採用して誕生した。もととなったワゴンRは、今日のハイトワゴンやスーパーハイトワゴン人気を生み出した軽自動車だ。ワゴンRワイドの2代目の途中で、車名をワゴンRソリオに変更し、さらに2005年にソリオへ車名変更した。それをソリオの初代とするなら現行は4代目にあたる。

そんなソリオは、昨年11月にモデルチェンジを発表し、12月から新型が販売開始となった。新型ソリオの販売動向は、ルーミーに比べると地味な印象がぬぐえない。前型ソリオの末期となる昨年11月は2935台で、新型となった12月は5019台に跳ね上がる。しかし、年が明けても1~2月は5400~5000台あたりで、3月に6089台としたが、同月のルーミーの1万6504台と比べると1/3強にとどまる。ルーミーの圧倒的強さが強調される印象だ。

ルーミーとソリオの商品価値に違いはあるのか?

しかし、ルーミーとソリオの商品性や価格を比較すると、それほど決定的に差があるとは思えない。ルーミーが2輪駆動の廉価車種で155.65万円からであるのに対し、ソリオは158.18万円からだ(実際は151.58万円から購入できるが、これにはサポカー対象となる運転支援が付かない)。それぞれに4輪駆動車も選ぶことができ、ルーミーは173.25万円から、ソリオは170.72万円から(サポカー対象車種)と、逆にソリオのほうが割安となっている。

新型ソリオのインテリア(写真:スズキ)

商品性とは別に、販売店の数を比べると、トヨタは5000店を超え、スズキは2000店弱だ。トヨタの販売店数の4割ほどとなるので、店舗数の差を販売台数で割り1店舗当たりの平均販売台数を算出すれば、わずかにトヨタ店のほうが上回るものの、1店舗での月販台数は3台平均と計算できる。営業力という点においては、スズキも負けていないということがいえそうだ。

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