日経平均、「妖怪ウォッチ」で見たら下落? 【今週の相場展望】「ポルトガル妖怪」は怖いのか
しかし欧州財政危機時と比べ、今回のポルトガル国債相場の下落はパニックとはほど遠い。経営不安が生じている大手銀行も、自己資本比率が8%を割り込む恐れはほとんどないと公表している。
加えて、欧州中央銀行(ECB)も、銀行向けの資金供給策や南欧国債の買い支え策はすでに打ち出しており、体制は整えている。実際、欧米株式や南欧国債市場は落ち着きを取り戻した。今週の日経平均株価が1万5000円を割り込む可能性は、かなり低いと見込む。
売ってもダメなら買ってみな
一方で、今週の国内株価を上下に大きく動意づける材料が少ないのも事実だ。14日(月)~15(火)の日銀金融政策決定会合では、何らの政策変更もないだろう。現在、市場における追加緩和期待は極めて薄い。日銀が動かずとも失望はないだろう。
また米国では、4~6月の企業決算発表が本格化する(今週は金融大手やインテル、IBM、GEなど)。発表を前にして様子見気分が広がる局面もあろうが、世界景気の持ち直し基調を背景として、決算内容は総じて堅調だろう。15日(火)~16日(水)は、イエレン連銀議長が議会証言を行なうが、発言は安全運転に努めると見込まれる。
強いて不安材料を挙げれば、16日(水)に集中する、中国の経済統計の発表だ。この日は、4~6月期のGDP、6月の小売売上高、鉱工業生産などのデータが公表される。いずれも前期、前月とほぼ同程度の前年比伸び率が見込まれている。中国の景気減速懸念はすでに市場に織り込まれているので、予想より若干弱い数値になっても、市場の波乱要因にはなりにくいだろう。
大きな材料を欠き、ポルトガル騒ぎも尾を引かないとなれば、日経平均は、先週下値試しをしただけに、「売ってもダメなら買ってみな」とばかりに、今週はかえって反発上昇の余地があるかもしれない。先週の高値である1万5450円近辺を取り返すような動きが生じてもおかしくはない。今週の日経平均のメインシナリオは、1万5000円~1万5450円前後と予想する。
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