「イライラ分析」で見えてくる、あなたの真の才能 苛立ちと感謝の傾向を見ることの重要性

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自分自身がイライラした瞬間を冷静に捉え、振り返る取り組みは、良好な人間関係の構築やアンガーマネジメントにも役立ちます。

例えば、「ものごとを完遂させる才能のタネ」がある人は、とにかく早くプロジェクトを終わらせようと努力します。反対に、「次々とアイデアを思いつく才能のタネ」のある人は、「もっとこんな新しいやり方がある」「これまでにない素晴らしい切り口を発見した!」と何度もちゃぶ台をひっくり返そうとします。前者から見れば、後者の行動が信じられません。同じチームで一緒に仕事をしていると「なぜ、いまさら、そんな提案をするんだ!」と新たなアイデアが出てくるたびにイライラしてしまいます。

しかし、このイライラの原因が、お互いが持っている才能のタネが異なることに起因しているとわかったら、どうでしょうか。

「私がイライラしているのは、私自身に、ものごとを完遂させる才能のタネがあるから」「相手が何度も新しい提案をしてくるのはアイデアを思いつく才能のタネがあるから」とお互いの強みを認識できるのです。

人は、見えないものが見えるようになり、わからなかったことがわかるようになると、不安感が軽くなります。不安や疑念から生じる怒りも幾分かやわらぎます。才能のタネの違いに気づけたなら、この事態を収拾するために、「早く終わらせようという気持ちを少し抑えてみよう」「思いついた新しいアイデアを次々と提案するのを少し待ってみよう」と理想的な働きかけができるようになるのです。

こんなふうにネガティブな感情が湧いたら、自分の才能のタネを知る絶好の機会です。

イライラの裏側に隠れている才能のタネに目を向けてみましょう。

誰かの代わりに、あなたがやってあげたこと

人から「ありがとう」という言葉をかけられたとき、頼られ感謝されたとき、少し立ちどまって、考えてみてください。もしかしたら、「ありがとう」の言葉をもらったその行為に、あなたの才能のタネが隠されているかもしれません。

人から深く感謝されたとき、「あたりまえのことをしただけなのに、こんなに喜ばれるなんて」と意外に感じたことはありませんか。誰かの代わりにサラリとあなたがやってあげたこと、自分にとってはそう労力のかからないことで喜ばれたときほど、あなたならではの才能を発揮しているはずです。

あるコミュニティーで、提出物の締め切りが近づいてくると「もうすぐ締切日ですよ」と関係者に知らせてくれる人がいます。彼女にとって締切日を把握しておくのはたやすいこと。ものごとを計画的に進めていく「タスク管理の才能のタネ」を活用し、忘れっぽい人たちの役に立っています。

あなたのまわりで「この人と一緒にいると、ついつい話しすぎてしまうなあ」と思う友人はいませんか。心のなかに抱えた、もやもやとした悩みを打ち明けることができる。話し終わったあとには、問題が整理され、なんだかスッキリとしている。きっとその友人は、「話を聞く才能のタネ」や「他者に共感できる才能のタネ」を持ち合わせているはずです。

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