中国の「アップルカー」目指すシャオミの野望 アリババやファーウェイなど様々な企業も参入
EV市場に参入しているのはIT企業だけでない。今年は不動産コングロマリット恒大集団傘下の恒大新能源汽車集団が最初の車種の発売を目指しているが、すでに「後発で入り込む余地があるかどうか」と疑問を持たれている。鴻海、バイドゥはいずれも自動車メーカーと協業しており、シャオミより早くEVを発売する公算が大きい。
これらの企業に比べて体力面で見劣りし、かつ後発にもかかわらず、シャオミの話題性は極めて高く、EV事業の成功可能性を巡る議論がヒートアップしている。
シャオミは多くのファンを抱える
注目される理由は、シャオミがスマホや家電商品を通じ、「米粉(ミーファン)」と呼ばれる多くのファンを抱えていることにある。Xiaomiスマホに搭載されている独自OS「MIUI」の月間アクティブユーザー(MAU)は4億人に迫る。
雷CEOはシャオミカーについてSNSで投票を実施し、45%がセダン、40%がSUVを希望し、希望価格帯は10万~30万元(約170万~500万円)との結果を披露した。鴻海やバイドゥはメガIT企業ではあるが、消費者のファン基盤はない。先駆者のテスラと競争できる中国メーカーは当面現れないだろうが、対アップルで見ると、共通点が多いシャオミはライバルとして認められやすい。
また、シャオミのファンはガジェット好きの若い男性に集中している。スマホ事業では、ビジネスパーソンや女性にどう食い込むかが課題だったが、市場の空白が多いEVについては「若者セグメント」でシェアを取り、裾野を広げることが期待されている。
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