「余計な一言」を言う人が好かれるはずもない訳 言葉を発する相手の感情に寄り添えていますか
人間は関係性の中で生きています。
思ったことをストレートに言っていい場合と、絶対に言ってはいけない場合があります。
こう言うと中には、
「世の中には、口は悪いけど本当はいい人っているんだよ」
と言う人がいますが、私に言わせれば口の悪い人でいい人なんていません。
口から出るということは、その人が頭の中で考えているから出るのです。
オレンジをいくら絞ってもオレンジしか出ないように、心の中にない言葉は口からは出てこないのです。
愛ある人の口からは愛のある言葉が、意地の悪い人からは意地の悪い言葉が出てきます。
残念なことですが、否定的なことしか言えない迷惑な人は必ず存在します。
どんなに正しくても、どんなに本当のことでも、必要のない場面でむやみに相手を傷つけることを言うのはやめましょう。
そして、相手に共感する言葉、寄り添う言葉でコミュニケーションをつなげていけば、必ずその人の魅力は上がります。
「言葉だけを拾うようになりましたね」
今でこそ、こうして本を書き、たくさんの人の前で講演したり、コーチングやコンサルティングをしたりしている私ですが、完璧にコミュニケーション上手に変わったわけではありません。
「三つ子の魂百まで」とよく言いますが、時折、コミュニケーション下手の自分が顔を覗かせます。
先日も、こんなことがありました。
相手はずっと私のところに通ってくれているコンサルティングのクライアントさんでした。そのクライアントさんとは10年来のご縁で、事業の立ち上げの頃から、私のところに来てくれています。
ある課題をクリアし、今後どのように事業展開していくかについて、私のセミナールームでセッションをしていました。
内容は経営方針ということで、かなりロジカルに話を詰め、そのクライアントさんに必要なことを伝えていたつもりでした……。
クライアントさんが言葉少なめになっていったので、いったんセッションを中断し、テラスでお茶を飲みながら休憩していたところ、クライアントさんがあまりに浮かぬ顔をしていたので理由を聞いてみました。
すると、思わぬひと言を言われました。
「永松さん、最近、言葉だけを拾うようになりましたね」
一瞬、何を言われているのかわかりませんでした。クライアントさんはこう続けました。
「以前は私の感情に向き合ってくれていたように感じていました。今は言葉上の理解しかしてくれていないような気がします」
ハッとしました。経営というロジカルな部分にフォーカスしすぎるあまり、クライアントさんの「感情」というものをスルーしてしまっていたのです。
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