アジアの足「トゥクトゥク」三浦半島で運転した 東南アジアの原風景、日本の景色になじむのか

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側扉などはないオープンな構造なので、乗用車と異なり、スピードを直接感じる。加速はそれほどよくない。乗用車を高速道路で時速100km運転するよりも、トゥクトゥクで時速50km走行するほうがスピード感を感じる。バイクと車の間のような運転感覚であり、アクセルの調整や、カーブの入り方への意識を持つことなど、車よりも考えて運転するため、運転自体が楽しい。

友人に運転を代わってもらい、後部座席に移動する。座席の座り心地はなかなかよく、ゆったりしている。側窓はないので開放感は抜群だが、座席の位置が高く、屋根の位置は低いため、成人男性だと景色が見えにくい。座高の低い子どもなら、非常にいい景色が楽しめるだろうと感じる。

なお、走行中も出入口部分に扉などはないので、強風や振動でその部分からものが落ちる可能性がある。特に、小さな子どもを乗せる場合は、保護者が手を握っているなど、目を放さないほうがいい。

振動がそれなりにあるので、荷物は座席の後ろに入れた方がいいかもしれない。雨が降った場合は水浸しになるので、降雨の可能性がある場合は、傘を用意した方がいいだろう。開放感は抜群なので、普段は車酔いする筆者だが、それはまったくなかった。

なお、全行程でトゥクトゥクの注目度は抜群だった。側窓がないためか、運転中に並んだ車やバイクの運転手から話しかけられることもあり、そうした出会いが楽しかった。

トゥクトゥクに乗って海の景色を満喫

トゥクトゥクは観音崎灯台、たたら浜を通り、浦賀駅方面へと進む。晴天だったこともあり、素晴らしい海の景色が楽しめた。浦賀駅を曲がり、京急久里浜駅方面へと進む。東京湾フェリーなども見えて、視界は変化に富み、楽しい。

油壺入口交差点を曲がり、直進する。目的地はトゥクトゥクレンタルプランの、もう一つの出発地であるホテル京急油壺観潮荘である。

このホテルも全室オーシャンビューであり、油壺温泉も楽しめる(日帰り入浴も可能)。筆者たちは活魚レストラン潮彩を利用した。売りは新鮮な魚介類。刺身を甘目のたれで食べるのは面白い。ホラ貝の大きな貝殻で貝の刺身が供されるのは、写真映えがする。そばや肉料理も供されるので、好みにあった料理が選べるのもいい。

京急油壺マリンパークも近いので、合わせて楽しむのがいいだろう。その後、筆者たちは城ケ島を巡った。インフラが整った地域から数分で、荒々しい自然の景勝が楽しめる城ケ島は、一度は行くべき観光地だと感じる。

名勝・秋谷の立石を巡ったあと、キャンピングカーレンタル箱庭でトゥクトゥクを返却した。京急逗子・葉山駅やJR逗子駅が最寄りにあるので、利便性はいい。

京急が経営するホテルを起点に、珍しい乗り物をレンタルさせることで、行き帰りの京急利用や、三浦半島内の京急施設の利用促進にもなる。電動キックボードやトゥクトゥクの導入に京急グループのしたたかさを感じた。

安藤 昌季 乗り物ライター

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あんどう・まさき / Masaki Andou

1973年、東京都生まれ。編集プロダクション「スタジオサウスサンド」代表で、通勤電車の座席から寝台まで広く関心を持つ「座席鉄」。「鉄道ぴあ」「旅と鉄道」「AERA.dot」「週刊日本刀」などで、乗り物・歴史関係の執筆を広く手掛けるほか、鉄道キャラクター企画、ゲームデザイン、イベント主催なども。著書は「教えてあげる諸葛孔明」(角川ソフィア文庫)、「夢の新幹線 ものしり学習帳」(玄光社)「日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き」(天夢人)

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