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「自由と民主主義の実験場」アメリカの夢と悪夢 サブカルチャーにある「超大国の憂鬱を解く鍵」

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  • 丸山 俊一 NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー/立教大学特任教授/東京藝術大学客員教授
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スクリーンには、人々の、大衆の欲望が投影される。ウォーターゲート事件という大統領の一大スキャンダルで民主主義への信頼が揺らぎ、不況とインフレが同時進行するスタグフレーションにケインズ政策への懐疑も生まれ、さらに泥沼化に終わったベトナム戦争が深い傷跡となって残るアメリカ社会に、超常現象、オカルトブームが沸き起こった70年代。時代のマグマは、どこにどんな形で噴出するのか、総体として社会を見る眼が必要になる。

硬軟、聖俗、さまざまな事象、事件を横断しながら時代の空気を味わうと、現代へとつながる問題の萌芽も見えてくる。戦後サブカルチャーの震源地、超大国アメリカの現代の分断、迷走は「空白の70年代」に始まった? そんな見方もできるのだ。

異色の歴史エンタメ・ドキュメント「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ幻想の70s」は、NHKのBSプレミアムで4月24日(金)22:30~放送予定(写真:NHK)

あの時があるから今がある。2014年にお送りした「ニッポン戦後サブカルチャー史」(NHK Eテレ)から連続する問題意識で、今回「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ幻想の70s」(NHK BSプレミアム)を制作、新たな問いを立ててみた。映画作品と当時の記録映像などから、アメリカの70年代を考えた、一風変わった歴史エンタメ・ドキュメントだ。

現在放送中のシリーズ「欲望の資本主義」でも2021年新春版で、70年代前半が現代経済の構造を規定する変化の端緒であった可能性を問題提起したが、今度は、サブカルチャーの視点から、時代の曲がり角に迫ってみようという試みでもある。

「表」も「裏」も味わわないと時代も社会も見えてこない。

ファンタジーランド=アメリカの夢とは?

個人的な経験になるが2000年代前半、初めてアメリカの地を訪れたときの奇妙な感覚は今も忘れない。同時多発テロから数年、ある程度人々が平静を取り戻していたニューヨークに、テーマパークのように広がる街並み。石造りの建造物はヨーロッパの都市と変わらないのだが、なぜかあまり重厚さが感じられない。まるで映画のセットの中を歩いているかのような浮遊感がそこにあった。

90年代、ディレクターとしてパリ、ヴェネツィアなどに長期滞在する機会が多く、歴史ある堅牢な石畳を歩き回る感覚が身体に沁みついていた身には、ニューヨークの地面は踏みしめたときに手ごたえがない。どこか現実と虚構が入り混じる不思議な感覚に囚われつつ、摩天楼をぼんやり眺めていた日々を思い出す。

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【「夢」の具現化】

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