キャンピングカー「国産vs外車」選ぶ6つの視点 日本では「キッチン・トイレ」最小限で問題無し

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走行性

国産車一番の問題点と言えるのが、走行性である。そもそも、キャンピングカーのベースとして最適化されていないトラックやバンを改造して使うため、走行性能に難がある。この傾向はキャブコンに顕著といえる。

*キャブコン:エンジンが運転席の下にあってボンネットがない小型トラックに、専用の居室を架装したキャンピングカーのこと。キャブオーバーコンバージョンを略してキャブコンと言う。見た目も中身も、いわば「ザ・キャンピングカー」

一方、日本よりも常用速度が高く、長距離を走ることを前提に設計されているのが輸入車である。走行性能の高さは折り紙つきで、これを輸入車の一番の魅力だと話すオーナーも多い。新東名高速の120km/h区間も苦にならない性能はさすがといえるだろう。

「万が一」のとき安心なのは国産車

修理・緊急時対応

現状、国産キャンピングカーのベース車両は、ごく一部を除いて国産車である。世界に誇る日本車は故障が少なく、万一の場合にも修理拠点が全国に散らばっている。知らない土地を旅する車としては非常にありがたい体制である。

一方、輸入車の場合そうはいかない。

たとえば前述のデュカトはフィアット社の車だが、フィアット・ジャパンでは正式に取り扱っていない。あくまでも並行輸入車扱いなので、正規ディーラーではメンテナンスが受けられないのだ。

輸入車の例(写真提供:Dethleffs)

ベンツでも事情は同様で、メルセデスベンツ・ジャパンはキャンピングカーベースとなる「スプリンター」などは扱っていない。やはり日本の正規ディーラーではメンテナンスが受けられない。

ではどうするのか。ご安心あれ、購入したキャンピングカー販売店や提携店で面倒を見てもらうことができる。旅先でトラブルに遭っても、提携店があれば安心だ。が、トヨタや日産ほど修理拠点があるわけではないので、自動車保険のロードサービスをしっかり吟味しておくなど、ある程度の心構えはしておくべきだろう。

価格

気になる価格についてはどうだろう。大きさ・スペックなど多種多様なので単純比較することはできないが、そのあたりの事情をまとめてみよう

■車中泊仕様車=国産車の独壇場

輸入車はフルスペック装備が基本なので、キッチンがないモデルはまずない。そのため、いわゆる「車中泊仕様車」に関しては国産の独壇場である。また、軽自動車は日本独自のものだから、これも輸入車にはない。このジャンルについては国産vs輸入車は成立しない。

■バンコン・キャブコン・バスコン

国産か輸入車かを比較するのは、バンコン、キャブコンやバスコンといったクラスが対象になるだろう。

まず、日本でいうバンコン(ワンボックスカーの内部を架装したモデル)タイプは、輸入車にもあるにはある。が、大きさ(車内の広さ)もスペックも日本のバンコンとは比較にならない。むしろ輸入車のバンコンは日本車のキャブコンと比較するのが妥当だろう。

いわゆるバンコン・キャブコン・バスコンクラスの輸入車が「高価なもの」だったのは一昔前までのこと。インポーターの企業努力もあって、国産車と肩を並べる価格帯のモデルも増えてきた。

単純比較は難しいが、下記にざっくりとした印象を記してみた(新車価格)。

国産バンコン(ワンボックスバンベース)200万円~900万円
国産キャブコン(トラックベース) 500万円~1200万円
国産バスコン(マイクロバスベース) 900万円~1800万円
輸入バンコン(デュカトベースなど) 700万円~900万円
輸入キャブコン(デュカトベースなど)800万円~1500万円
輸入フルコン(≒バスコン) 1000万円~2000万円

トレーラーについては、国産トレーラーはまだまだ数が少ないし、むしろ輸入車のほうが安価だったりもする。

いかがだろうか。少なくとも価格を理由に輸入車を検討リストから外す必要はないことがおわかりいただけるだろう。

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