米国株が暴落しそうで結局さらに上昇する理由

「高所恐怖症」に悩む個人投資家は増加の一途

さらなる理由としては、これら強い経済指標に対しての金融当局の一丸となったハト派発言が挙げられる。例えば、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長は、オンラインイベントで「アメリカの経済は成長への転換点(出発点)にいる」とし、さらに「FOMC(連邦公開市場委員会)のほとんどのメンバーは2024年まで利上げを予想していない」と述べた。

FOMC内で影響力が強いニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁も、経済が最大雇用に達するには時間がかかり、金融政策修正の条件を満たすのは「かなり先になる」との見方を示した。

一方、14日の「地区連銀経済報告」(ベージュブック)でも、国内経済の回復が2月下旬から4月にかけ「緩やかなペース」へ加速したとの認識が示され、ワクチンの普及や政府の財政支援で消費が拡大し、労働市場の改善も確認された。

また、同じく先週、フィラデルフィア連銀のパトリック・ハーカー総裁は、「今年のアメリカ経済の成長率が5~6%に達する」との見方を示しながらも「回復はまだ初期の段階にあり、FRBは現行政策を維持する」と語っている。

このように、金融当局者の強気発言はそのほかも多くあり、キリがない。これらが「寄ってたかって」株高原因になっている。

増税リスクも以前より「かなり後退」

ジョー・バイデン大統領が示した巨大なインフラ投資計画の財源となる法人税の増税問題についても、ジャネット・イエレン財務長官は「まず世界的な最低税率の設定から始める」としたことから、増税はそれからになる。

しかもアメリカが唱える最低税率21%は、アイルランドの現行税率である12.5%との間を取り、15%程度で合意する可能性があるとの報道もある。株式市場にとっての増税リスクは、1歩も2歩も後退する気配だ。

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