もしアメリカ株が下がっても長期化しない理由

気になる「テーパリング」はいつ始まるのか

アメリカのメジャーリーグではすでに「マスクなし観戦」も。アメリカの株価は今後どうなるのだろうか。日本にも影響が大きいだけに、その動向には注意が必要だ(写真:AP/アフロ)

昨年の大統領選挙の後から再始動したアメリカ株の上昇は4月も続き、S&P500種指数は史上最高値を更新している。長期金利上昇が嫌気されて2~3月にかけて調整したIT関連株も持ち直し、ナスダック総合指数は2月の最高値に再び接近する値動きをみせている。

株高が続いている第1の要因は、ジョー・バイデン政権の財政政策への懸念が和らいだことだとみている。「中国がコロナ後の世界経済を牽引できない理由」(4月2日配信)でも指摘したとおり、ホワイトハウスはアメリカの雇用計画として2兆ドル規模の歳出計画を示したが、この財源としての法人増税は15年という長期間で行われる計画だ。

実際に、どの程度議会でこの計画が認められるか、どのような政治体制で実現するかはまだ不透明な部分が多い。だが早期に増税を強化せずにマクロ安定化政策を徹底するという同政権の姿勢が確認されたことは大きい。

今後アメリカ株は利益確定売りがあるかもしれない

第2の最近の株高要因は、アメリカ経済の回復が続く中で発表される企業決算が上振れるとの期待が高まったことだろう。すでに4月半ばからアメリカ企業の決算発表が始まっているが、ほぼ想定どおりの好調な決算が示されるとみられる。ただ、この「第2の要因」はもはや賞味期限を迎えつつあり、利益確定売りで目先はアメリカ株がやや調整するかもしれない。

もっとも、筆者は仮に利益確定売りがあっても株安は長期化しないとみている。アメリカにおいて、年初から新型コロナワクチン接種ペースは着実に高まっており、ワクチン接種者の比率は36.1%まで高まっている(4月12日時点)。ジョンソン&ジョンソン社によるワクチンが接種を一時中止されることになったが、他社が供給しているワクチンによって現行の供給計画のかなりの部分を補えると筆者は予想している。

次ページなぜパウエル議長は「変曲点」と言ったのか
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
  • フランスから日本を語る
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • この新車、買うならどのグレード?
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT