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「6月15日にはコロナ収束」ハリウッドの現在地 州民の37.7%が最低1回ワクチンを接種済み

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  • 猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト
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このニュースに喜びつつもいちばん混乱しているのは、おそらく演劇やオペラなど舞台関係者や、交響楽団だろう。コロナが本格化してから、これらのシアターは完全に閉まり、通常は秋にスタートするシーズンもすべてキャンセルされてしまった。

最近になってようやく、アウトドアで何かやれないかという動きが出てきたが、そこをすっ飛ばして、いきなり普通に上演して良いことになったのである。とは言っても、シアターを開けるのは店を開けるよりずっと複雑だ。急にプログラムを決めないといけないし、キャスティングやリハーサルもある。リハーサルを6月15日より前に始めるとなると、どのような規制があるのかという問題も残る。

また、役者たちやクルー、ミュージシャンらの組合がどう言ってくるかも大きく関係する。組合が強いアメリカのエンターテイメント業界では、舞台はもちろん、映画やテレビの撮影に関しても、俳優たちの健康を守るために、組合が細かなプロトコルを作っている。それがあまりに厳しすぎると、カナダで撮影するアメリカの番組の現場で、カナダ側から不満が出たこともあるほどだ。

組合もすぐに話し合いを始めるだろうが、どちらにしても、現場での負担や経費が大幅に下がることは間違いない。

映画館の客足も戻ってきた

一方で、映画館がすぐに昔のとおりに戻るかというと、こちらはやや複雑だ。定員の100%まで客を入れて良いことになるのは朗報ながら、そうなってからもしばらく、ディズニーの超大作などは、劇場公開と同時にディズニー・プラスでも配信ということが続く可能性がある。

これらの映画は北米外からの興収にも大きく頼っており、ヨーロッパでまだ劇場が閉まっている以上、そうすることがビジネスの上で得策なのだ。

ワーナーは今年のラインナップすべてを劇場公開と同時に系列のHBO Maxで配信すると決めており、それも変わらない。だが、先月末に北米公開された『ゴジラVSコング』(日本は東宝だが北米はワーナーの配給)は、HBO Maxで見られるにもかかわらず劇場で見ることを選んだ人が予想された以上に多かった。そう考えると、劇場主も今後に期待して良さそうだ。

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【今月発表の「アカデミー賞」はどうなる?】

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