受験で「知らない問題」が出た時に使える思考法 知識が無くても「あてはめる力」があればよい

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思考するにも、表現するにも、「思考の道具」が必要です。この「思考の道具」とは、言い換えるなら「あてはめる力」のこと。これはたとえば算数で、この問題は「植木算」、この問題は「旅人算」と、ある公式や解き方にあてはめて問題を考えるのと同じです。このような公式を理解して、使える形で記憶していれば、思考することが容易になり、また、それを表現する方法も見えてくるものなのです。

「思考力入試」は単なる「記述形式の入試」ではない

入試の変化を感じていただくために、ここで1つ、入試問題をご紹介します。

近年、入試の内容は親の世代が想像できないほど、高度になっています。さらに、2020年度から実施されている小学校の「新学習指導要領」では、これまでの知識や技能に加えて、「思考力・判断力・表現力」や「学びに向かう力・人間性」を育てることが大きな柱となっています。しかし、思考力を重視する傾向は、すでに中学入試や高校入試ではそれ以前から始まっていました。

ただここに、1つ誤解があります。多くの方がこれら「思考力入試」を単なる「記述形式の入試」にすぎないと捉えていることです。しかし実際は、それほど単純なものではありません。その誤解を明らかにするために、ちょっとした問題で頭を動かしていただきましょう。

<問題>
「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」
※歌の中に句読点を入れるのは、この作家(折口信夫)の特性です。

【大意】
誰にも行き会うことのない山道に、踏まれたままの葛の花が残っている。土ににじむ、その新しい赤紫の色が鮮やかである。少し前にここを歩いていった人がいたのだろうなぁ。

<問>
この短歌と大意をもとにして考えると、俳句と比べ短歌はどのような性格があると言えるか、あなたの考えを書きなさい。

これは、慶應志木高校で平成27年に出題された問題を単純化したものです。「ふざけんな! 何を書けばいいんだ!」と怒りたくなるような問題ですね。

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