コロナ封じ込めた中国がワクチン接種を急ぐ訳

景品配り、国民の義務、硬軟両刀使って接種促す

中国は新型コロナウイルスワクチンの接種を強化している。ワクチン接種の進展で他国に後れを取れば、コロナ封じ込めで得た優位性が損なわれる恐れがあるからだ。当局は米国の2倍のスピードで接種を進めるのを目指し、共産党員や銀行員、大学職員などに圧力をかけている。

ワクチン接種では大きく出遅れた中国

年初には1日平均100万回に満たなかった中国のワクチン接種は、現在では同500万回に増えている。大幅な増加ではあるものの、ブルームバーグのワクチン・トラッカーによれば、人口100人当たりの接種回数は5回にとどまり、米国の同25回、イスラエルの同56回に比べると大きく出遅れている。

南寧の体育館に設けられたワクチン接種センター(3月29日)写真家:Yu Jing / China News Service / Getty Images

コロナ感染を比較的抑え込んだ他のアジア太平洋地域の国・地域と同様、中国での接種に対する切迫感は、まだ感染拡大の渦中にある地域に比べると強くない。それが接種加速への壁となっている形だが、地政学的なライバルである米国などが集団免疫を獲得し、経済や国境の再開で先を越されるとの懸念が中国当局の取り組みを強化させている。

 

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