コロナ封じ込めた中国がワクチン接種を急ぐ訳 景品配り、国民の義務、硬軟両刀使って接種促す

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米ニュージャージー州のシートン・ホール大学でグローバルヘルス研究センターの所長を務めるヤンゾン・ファン氏は「先進各国が互いに再開する中、中国がまだウイルスの侵入を防ごうとしていれば、中国のコロナ対応の成功が問われることになる」と述べた。

中国疾病対策予防センター(中国CDC)は今月に入り、ワクチン接種目標を引き上げ、6月末までに国民の40%に相当する最大5億6000万人に接種する方針を示した。今後3カ月で約4億6000万回の接種が必要になる計算だが、これはバイデン米大統領がほぼ同期間で掲げる目標の2倍余りとなる。

ワクチン接種の促進に向け景品も配る

米国の一部でワクチン接種者にドーナツなどがプレゼントされているのと同様、中国の一部地域でもワクチン接種の促進に向け景品が配られている。例えば、北京市内の繁華街に貼られたポスターには、60歳以上の住民はワクチン接種後にパック入りの卵をもらえると書かれている。

同時に中国国内では、ワクチン接種と国威発揚を結びつけるようなプロバガンダも強化されている。国営の中央テレビ(CCTV)が先週放送した番組のニュースキャスターは「ワクチン接種は単なる選択肢ではなく、国民全員の義務だ」と指摘。「ワクチン接種を進めず、ウイルスとの闘いで苦労して得た強みを生かせなければ、高みから谷間に一気に転落する恐れがある」と述べた。

ワクチン接種を受ける武漢の住民(3月25日)出典:ゲッティイメージズ

原題:China Pushes Vaccine on Bankers, Colleges to Catch Up With U.S.(抜粋)

著者:Bloomberg News

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