新宿駅西口で始動、渋谷に続く「大改造」の行方

クルマから歩行者中心へ、東西の分断解消図る

続いて同年9月には東京都都市計画審議会が、「2040年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋について」という答申を出した。2040年代に想定される社会状況の中での東京が目指すべき都市像として、基本的な理念や目標、新たな都市構造や地域像を明らかにし、実現に向けた取り組みの方向性を提言した。

再開発で建て替えられる明治安田生命新宿ビル(筆者撮影)
かつて西口の“顔”だった「スバルビル」(右下)。現在は解体されている(写真:hiroshi/PIXTA)

この2つの動きが合流したのは2017年6月のことで、東京都と新宿区の両名で、「新宿の新たなまちづくり〜2040年代の新宿の拠点づくり〜」が策定された。ここでは東京の段階的な拠点を更新していく中で、新宿駅周辺は1960年の「新宿副都心計画」に基づく都市整備が行われて以降、約半世紀にわたり大規模な再編整備が行われていないことが挙げられており、老朽化によって都市の魅力や活力が低下しつつあると指摘した。

新宿は東京中心部における業務・商業・観光の拠点であるだけでなく、都内外とつながる交通ターミナル拠点でもあることから、クルマ中心の街から人中心の街へ転換し、多様な都市機能が近接し連携する街が将来像として掲げられた。

そして新宿の魅力の充実・強化、活動しやすい歩行者空間の創出、国際水準の環境整備、街の魅力を次世代へ継承という4つの方向性が示された。

これを受けて「新宿の拠点再整備検討委員会」での検討が始まった。その結果、行政と鉄道事業者が連携して取り組むものとして、「新宿の拠点再整備方針〜新宿グランドターミナルの一体的な再編〜」が翌年発表されたのである。

交通の要衝としての歴史

なぜここまで新宿の再編にターミナルが重要視されるのか。昔から交通の要衝として発展してきたことが大きいだろう。一連の歴史については、「新宿の拠点再整備方針(案)」資料にも記しており、重要であることがわかる。

新宿という地名は江戸時代の五街道の1つ、甲州街道に作られた「新しい宿」に由来する。当初甲州街道は、日本橋を出発して最初の宿場が高井戸となっており、東海道の品川、中山道の板橋、奥州街道・日光街道の千住と比べると遠かった。そこで、現在の新宿御苑付近に屋敷を構えていた内藤家の土地を一部活用することで新しい宿場が作られ、内藤新宿と名付けられた。

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