ホンダ、「N-BOX」絶好調を手放しで喜べない事情 登録車販売は精彩欠き、軽比率がさらに上昇

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「販売台数、そして電動化を加速させる意味でも、ヴェゼルは非常に重要な戦略車種だ」と商品企画担当の池田裕介氏は話す。コンパクトSUVは近年人気が高く、トヨタ自動車「ヤリスクロス」、日産「キックス」など、各社が力を入れるカテゴリー。競争は激しいが、ホンダとしては、ぜひここで存在感をアピールしておきたいところだ。

HV化への高いハードル

一方で、販売好調な軽にも大きな課題が待ち受ける。政府が求める電動化への対応だ。ホンダは登録車の新車販売におけるHV比率が6割に迫るが、軽はN-BOXをはじめとする現行の全車種が純粋なガソリン車。今後についても、「電動化を加速するのは軽も同様だが、今はまだ具体的な話ができない」(倉石誠司副社長)と述べるにとどまっている。

ホンダに限らず、軽メーカーは電動化対応に頭を悩ます。電動化の手段としては、登録車と同様にストロングHVが当面の現実解になるが、軽の特性を考えるとハードルは高い。大幅なコストアップが避けられず、「車両価格の安さ」という軽の強みが薄れてしまうからだ。

2020年12月にマイナーチェンジをして発売したN-BOX(写真:ホンダ)

また、ストロングHVは大型電池など部品搭載点数が増えるため、「純粋なガソリン車よりも車内空間の確保が難しく、軽でこの問題をどう乗り越えるかも大きな技術的課題になる」(東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリスト)。特にN-BOXのように「軽でも車内が広い」ことを売りにしている車種にとって、電動化と空間確保の両立は悩ましい問題だ。

ホンダは技術畑を歩んできた三部敏宏専務が4月に社長となり、新体制がスタートする。国内における登録車の復権と、軽の電動化は新社長の大きな宿題になる。

横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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