「TikTok」で本を売りまくるティーン姉妹の正体 感情モロだしのビデオが利用者に大ウケ

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TikTokで20万人近くのフォロワーがいるリー姉妹が紹介する本は次々とヒットしている(写真:Peter Flude/The New York Times)

2014年に出版された『We Were Liars』が昨年夏、ベストセラーリストに返り咲いたのを見て、著者のE・ロックハートは喜んだ。しかし、戸惑ってもいた。「いったい何が起こっているのか見当もつかなかった」とロックハートは言う。

答えは、自身の子どもたちからもたらされた。ショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」で人気が再燃したというのだ。

「#BookTok」の超絶インフルエンス

「ティックトックで本がバズる」と言われても、ピンと来ないかもしれない。だが、「#BookTok(ブックトック)」というハッシュタグの下、主に10〜20代の女性が投稿する書籍紹介動画がニッチな盛り上がりを見せている。読書する自分の姿をタイムラプス撮影したり、感動のエンディングを読み終えて人目をはばからずに号泣する姿をカメラに収めたりしている。

こうした動画がきっかけで本が大量に売れ始め、その影響に誰もが驚いた。動画を投稿した本人も驚いている。

「私が感じていることをみんなにも感じてもらいたい」。イギリスのブライトンに住むミレイユ・リー(15)は2月、妹のエロディ(13)と@alifeofliteratureというアカウントで本の紹介を始めた。今では20万人近いフォロワーがいる。「学校のみんなは本にあまり関心がなくて、すごく残念」。

大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルはアメリカ各地の店舗に「ブックトック」の特集コーナーを設置。コーナーのテーブルには『They Both Die at the End』『The Cruel Prince』『A Little Life』など、ティックトックで人気に火がついた作品を並べている。しかし、インスタグラムやツイッターで話題になった作品を紹介するコーナーはない。ティックトックほど本の販売につながるソーシャルメディアはほかに存在しないからだ。

「(ブックトックの)動画クリエイターは、本を読んで涙を流したり、大泣きしたり、叫んだり、怒って本を部屋の反対側に放り投げたりと、感情を表に出すことを恐れない。わずか45秒で強く感情に訴えかける動画だからこそ、人々は瞬時に共感する」とバーンズ・アンド・ノーブルの書籍担当ディレクター、シャノン・デヴィートは言う。「ほかのソーシャルメディアがきっかけで、1カ月に数十万部とか、ここまで飛ぶように売れるのは見たことがない」。

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