ワクチン接種で活躍、シャープ製蓄冷材の実力

液晶の制御技術を応用、新たな収益柱を育成

新型コロナウイルスのワクチンを運ぶ移送用保冷バッグ。シャープ製の蓄冷材が使われている(写真:スギヤマゲン)

家電・液晶パネルメーカー大手のシャープが、長年培ってきた液晶技術を保温・保冷用途で活用しようとしている。

冷蔵庫の温度と室温の中間くらいの温度で保管が必要な野菜や果物向けに、12℃の温度を保つことのできる蓄冷材のほか、アウトドアで飲み物を保冷できるバッグなどを開発した。

直近では2月から日本でも接種が始まった新型コロナワクチンの輸送に使われる輸送容器の一部に、シャープ製の蓄冷材が採用されている。シャープは自身が保有する技術を応用して他分野に展開する動きを加速させている。

医薬品の定温物流分野に新規参入

シャープは2020年12月、医療機器の開発や販売などを行うスギヤマゲンと協業し、医薬品の定温物流分野に新規参入することを発表した。すでに共同開発した医薬品向け「定温輸送容器セット」を1月から販売している。

世界各地で新型コロナウイルスのワクチン承認と接種が進んでおり、日本でも2月17日にファイザー社製ワクチンの接種がスタートした。ただ、ワクチンは温度管理が厳しく、ファイザー社製の場合、氷点下90~60℃の超低温状態で保管され、解凍後は指定された一定温度(摂氏2~8℃)での保管や輸送が求められる。

シャープは今回、蓄冷材が溶け始める温度を3度に設定した「3℃適温蓄冷材」を開発し、スギヤマゲンに提供している。具体的には医薬品を定温で保存するための輸送容器に「3℃適温蓄冷材」を入れることで、容器内を2~8℃で24時間保てるようにした。

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