「空回り」している上司に必要な3つの自問自答 まずは「自分の内面」の観察から始めよう

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それでは、観察の具体的な内容を説明しましょう。 観察の対象として、大きく2つのものに注目します。ひとつめは「自分の内面」です。今、自分の中で「どのような感情」がわき上がっているのか。また、「どのような欲求」があって、「何をしたい」と考えているかなどを観察していきます。

仕事ができるビジネスパーソンほど、自分の感情を隠し、何事もなかったかのようにふるまうのが上手です。ビジネスシーンでは「自分の感情を表に出さない」ことが求められるため、多くの上司が仕事における自分の感情に目を向けない傾向を強く持ちます。

そのため、自分の感情を理解して上手に活用していくという「EQ」のスキルを活用できずにいる人がとても多いのです。部下との信頼関係がなかなか深まらず、チーム内で自分が空回りしているように感じる一因は、ここにあります。

今の時代、結果を出せるチームであり続けるには上司・部下間の信頼関係づくりは必須です。したがって、上司にとってEQのスキルを磨いていくことは不可欠です。その最初のステップこそが、「自分の内面」の観察なのです。

他者の感情も推測しやすくなる

自分の感情を観察することに慣れてくると、自然と「他者の感情」にも意識が向くようになります。その結果、ある状況下でその人が何を感じているのか、自分の言葉や行動が相手にどんな感情を引き起こしているか、ある程度なら推測できるようになります。すると、周囲への対応の仕方にも変化が生まれます。

ある上司のケースです。その人は自分の中に怒りの感情があっても、気づかないフリをしていました。そのせいか、自分では無意識に部下に冷たく当たっていたといいます。

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