マンションブームが続く広東省深圳市で、住宅の購入制限の「抜け穴」をふさぐ措置が一段と強化されたことがわかった。SNS(社交サイト)上で広まっていた情報を財新記者が深圳市住宅建設局に問い合わせたところ、それが2月10日から施行されたことが確認できた。
新たな措置は、すでにマンションを保有しており住宅の購入資格がない夫婦が離婚した場合、財産分割でどちらか一方がマンションの保有権をすべて引き継いだとしても、もう一方は離婚の日から3年間は深圳市内のマンションを購入できないとするもの。3年以内に再婚した場合でも同じ措置が適用される。
(訳注:深圳市ではマンション投機の加熱を防ぐため、地元籍を持つ既婚者が購入できる住宅数が世帯当たり2戸まで、独身者が1戸までに制限されている)
その狙いは、偽装結婚により住宅の購入資格を「貸し出す」裏技をたたくことにある。従来の規制では、購入資格を持つ独身者が偽装結婚してマンションを購入し、その後に離婚して保有権を相手に渡せば、相手側は購入資格がなくても保有マンションを増やすことができた。また、当人は独身に戻ることで購入資格が復活し、同じ手口を繰り返せたのだ。
投機家と行政のいたちごっこ続く
偽装結婚を利用したマンション投機をめぐっては、規制の抜け穴を探す投機家とそれをふさぐ行政の間でいたちごっこが繰り返されてきた。そんななか、深圳市政府は2020年7月、全国に先駆けて新たなルールを発表。離婚してから3年以内に元夫と元妻のいずれかが住宅を購入する場合、その時点で保有する住宅の戸数は離婚前の夫婦の保有戸数で数えるとした。
これを徹底するため、深圳市政府の関係部門は過去半年間、新ルールを実際に運用する際の細目の詰めを急いできた。例えば2020年9月には、市政府の複数の部門が共同で婚姻情報の照会システムを立ち上げ、偽装結婚や偽装離婚が疑われるケースの住宅ローンの審査を厳しくした。
今回の新たな措置も、こうした細目調整の一環とみられている。仮にそれでもマンション市場の加熱が続いた場合、「規制が一段と強化される可能性がある」と、不動産業界の専門家は予想する。
(財新記者:屈慧)
※原文の配信は2月20日
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