テレ朝の視聴率と番組CM収入の不都合な真実

時代に合わなくなったテレビ広告指標を斬る

世帯視聴率との差異の原因は年齢だ。人口ピラミッドで見ると50代以上の中高年層より、「13〜49歳」という層は少ない。(ちなみに個人視聴率は世帯視聴率より数字の上では4割ほど低くなるといわれている。つまり個人視聴率で6%なら世帯視聴率では10%に相当するということだ。)

(筆者提供)

この限られた年齢層のテレビ視聴データの面白いところは、視聴傾向とタイム収入の傾向がほぼ一致することだ。

下のグラフは2018年度から2020年度3Qまでの、年度別のタイム収入の四半期ごとの平均を比較したものだ。日テレが圧倒的に強く、それに続くのがフジテレビ、テレ朝はTBSより下など、男女13〜49歳の個人視聴率グラフの傾向とほぼ一致する。

(決算資料より筆者作成)

つまり番組提供によるタイムCMという、1本1億円超の巨額の広告費を投資する広告主は、主にこの男女13〜49歳の視聴者層を狙っているということになる。また、テレビ局としては、この個人視聴率という指標で各番組の視聴率を上げれば、タイム収入が増えるということになるのだ。

世帯視聴率は高くてもタイム収入は低い

世帯視聴率では日テレと同率1位だが、13〜49歳の個人視聴率では4位、タイム収入でも4位に甘んじているテレビ朝日。視聴者に高齢者が多いというのは以前からいわれていたが、個人視聴率が用いられるようになり50歳以上の視聴者が多いということが実証された形となった。

多くの広告主は10〜40代の年齢層に訴求したいと考えている。もちろん健康食品や健康器具、高齢者向け保険など高齢者をターゲットとする企業もある。しかしそれは広告費の額としては多くはない。だからテレビ朝日は世帯視聴率が高いにもかかわらず、タイム収入が低いのだ。

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